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【テクノロジー】北陸電力・JFEエンジニアリング、「ダム最適運用システム」を浅井田ダムで実証試験/発電電力量が約500万kWh/年増加

2020.06.14 トピック


 2020年06月12日、北陸電力株式会社(以下、「北陸電力」)とJFEエンジニアリング株式会社(以下、「JFEエンジニアリング」)はともに、AIを活用した「ダム最適運用システム」の実証試験の結果を発表した。

 北陸電力とJFEエンジニアリングは2017年度からAIを活用したダムへの水の流入量を予測するシステムの共同開発に取り組んでおり、当該実証試験は北陸電力が所有する浅井田ダム(岐阜県高山市)に同システムを活用し行ったものである。

(実証試験の概要 出典:北陸電力株式会社)

 流入量の予測にはJFEエンジニアリングが独自に開発したAIエンジンWinmuSe®を使用した。WinmuSe®は河川流域での洪水被害を防ぐことを目的に、瞬時に河川水位を予測し、迅速な警報発令を可能とするために開発されたものだが、同AIに浅井田ダムに関連する過去の降雨量と流入量の実績データを学習させた。加えて、北陸電力の予測ノウハウを融合させ、予測精度向上させた形で実証試験に臨んだ。

 実証試験では流入量の予測精度が従来に比べて大幅に向上することが確認できた。精度の高い予測結果を活用しダム運用を最適化したことで、無駄な放流をなくして早期にダム水位を回復することも可能となった。ゲートから放流していた水を発電に有効利用することで、年間約500万kWhの発電電力量の増加にもなる。一般家庭の使用電力量に換算すると約1,600世帯相当だ。

(浅井田ダム(2019年度に実証試験)の概要 出典:北陸電力株式会社)

 今後は浅井田ダムで開発した「ダム最適運用システム」を北陸電力の神通川水系全体のダム(新猪谷ダム、神一ダム、神二ダム、神三ダム)へ対象を拡大させ、水系全体で発電電力量の最大化を目指す考えだ。

*アイキャッチ 出典:北陸電力株式会社

【情報ソース】
AIを活用した「ダム最適運用システム」の共同開発(*PDFファイルが開きます、497KB)、2020年06月12日、北陸電力株式会社(JFEエンジニアリング株式会社との共同リリース)

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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