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【テクノロジー】関西電力、水力発電所の導水路内部点検用の水面ドローンを開発

2020.06.17 トピック


 2020年6月11日、関西電力株式会社(以下、「関西電力」)は水力発電所導水路の内部点検に活用できる水面ドローンを開発したことを発表した。

(水面ドローンを活用した点検方法 出典:関西電力株式会社)

 当該ドローンは浮体式の水面ドローンとなっており、導水路を通水したまま水面に浮かせ、壁面近くを走行させるものだ。スラスタとよばれるモータを動力としたスクリューが側壁近接用に2台、流下制御用に1台搭載されており、側壁沿いに押し付けた状態を保ちながら安定して走行させることが可能だ。

 ドローンには5台のカメラ(気中カメラ2台と水中カメラ3台)が搭載されており、導水路内部の壁を撮影できる。実際の点検はドローンが撮影した画像を点検員が解析し、導水路内部の錆や損傷の状態・位置を確認する形になる。点検員の入坑が不要になるため、安全かつ点検員の負担を大きく軽減することが可能だ。暗所であるために目視点検では確認しにくかった劣化や損傷の確認もしやすくなった。

 これまでの水力発電所の導水路の点検は、概ね6年に1回の頻度で発電を停止し、抜水を行った上で行ってきた。そのため、点検期間中は発電停止による発電電力量の減少が発生していたが、当該ドローンを活用することで、導水路を通水したまま点検ができるので発電停止による電力量の減少を抑制することも可能になる。

 関西電力では同社の水力発電所の約90ヶ所で活用し、点検にかかる日数を約90日短縮する考えだ。発電停止による電力量の減少抑制や点検コストの削減によって40%以上の収益改善効果を見込んでいる。今後は株式会社環境総合テクノスと連携し、他電力会社や自治体などの社会からの点検業務を受託することも視野に入れながら活用についての検討を進めるようだ。

*アイキャッチ 出典:関西電力株式会社

【情報ソース】
水力発電所導水路の内部点検に活用する水面ドローンの開発について、2020年6月11日、関西電力株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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