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【テクノロジー】富士通、水理学の知見から河川の水位予測技術を開発/雨量・水位データが僅かな河川でも水位予測可能に

2019.08.24 トピック


 2019年08月16日、富士通株式会社(以下、「富士通」)と株式会社富士通研究所(以下、「富士通研究所」)はAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を活用して、過去の少ない雨量・水位データから河川の水位を精度よく予測できる技術(以下、「当該技術」)を開発したことを発表した。

 指定河川洪水予報の対象となる大規模な河川の水位予測は行われているが、中小河川や新たに水位計を設置する区間では、水位予測に必要な流量観測などのデータが揃っていない、或いは過去に蓄積された雨量・水位データが少ないなどの理由によりこれまで水位予測が困難であった。

 今回、富士通と富士通研究所は流域からの雨水の流出を表現したタンクモデルの考え方(水理学の知見)をベースに関数を作り、過去の雨量・水位データを機械学習させ、最適なパラメータを導き出す数理モデルを構築した。そのモデルを使って、AIが「現在までの雨量・水位データ」と「気象関連機関から各自治体へ配信される数時間先の気象(降雨予測)データ」を基に今後の水位予測を行う。この技術により水害現場への迅速な対応や避難勧告の発令における適切な意思決定が可能になるため、水害に対する防災・減災効果は高まる。

(AI河川水位予測の概要図 出典:富士通株式会社)

 特徴は測量データを用いずに、雨量や水位データの蓄積が少ない区間でも水位予測できる点だ。これにより河川改修などによって環境変化が生じた河川でも水位予測が可能になる。環境変化後の僅かな雨量・水位データがあれば、機械学習を経て、モデルの最適化を短期間で行うことができるためだ。

 自治体で管理する中小河川に当該技術を適用し、過去データを用いたモデルの精度検証も実施されているが、平常時の僅か1降雨データで機械学習したモデルを使用した場合に、増水時の水位上昇を一定の精度で予測できることが確認されている。加えて、公立大学法人首都大学東京の河村明教授協力のもと、流量観測などのデータを用いた標準的な水位予測の方法との比較検証も行われており、当該技術が同等以上の精度を持ったものであることが確認されている。

(平常時の1降雨のデータから、AIが増水時の水位上昇を予測した例 出典:富士通株式会社)

 富士通と富士通研究所は今後、国内の河川のみならず海外の河川への当該技術の適応も見据え、全国の自治体との実証試験を行う方針。状況の異なる河川での検証を進め、2019年度中のソリューション化を目指す考えだ。

*アイキャッチ 出典:富士通株式会社

【情報ソース】
過去の少ない雨量・水位データで河川の水位を予測できるAI技術を開発、2019年08月16日、富士通株式会社(株式会社富士通研究所との共同リリース)

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