【レポート】カナダにおけるPPPマーケットの概況について

2018.01.16 ナレッジ

ナレッジパートナー:片桐 亮


Ⅵ. おわりに

 以上、カナダにおけるP3マーケットの現況について整理を行った。
 カナダにおいてP3マーケットが活況となったのは比較的近年であり、英国やスペインなど、金融危機以降PPP案件が停滞状況にあった欧州勢の注目を浴びつつ、自国のプレーヤーを巻き込みながら活況を呈している状況にある。背景には、P3推進組織による調達手続きや契約条件の標準化や“アベイラビリティ・ペイメント型“を中心モデルと据えたことによる事業リスクの低減により、マーケットの洗練度が高まり、幅広いプレーヤーによる参入を引き付ける結果に至ったものと推察される。

 近年では、比較的単純な道路や病院改修といった案件のみならず、車両調達や運営調整といった高度な調整能力が求められるLRT案件が増加に加え、急増する案件を背景にセカンダリー・マーケットが成長するなど、マーケットへの新規参入の余地も見え始めている。また、報道ベースではあるが、ピアソン空港等を含む複数空港の民営化案件についても検討が進められているようであり、今後コンセッション型案件についても、事業化が進む事も見込まれる。

 本稿におけるカナダのP3マーケットの概況の整理を通じ、我が国におけるPPP/PFIの政策の立案・推進の一助とするのみならず、我が国のインフラ投資家や事業者によるカナダマーケットへの一層の参入促進が進むことも期待される。

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*アイキャッチ Photo by Matthew Henry on Unsplash

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