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【テクノロジー】大林組、ドローンを活用したダム監査廊点検システムの実証実験

2022.08.13 トピック


 2022年08月02日、株式会社大林組(以下、「大林組」)は株式会社Spiral(以下、「Spiral」)の協力のもと、ダム監査廊点検作業の省人化・省力化を目的として、三重県伊賀市の川上ダム内で自動飛行ドローンを用いた点検システムの実証実験を行ったことを発表した。

 自動飛行ドローンを活用したダム監査廊点検システムは、ダム監査廊内を自動飛行するドローンが映像を撮影し、リアルタイムで遠隔地のパソコンに表示・記録するというものだ。管理者が現地に行かずに現状の確認ができる。ドローンは床面と壁面の距離を常にレーザセンサで計測することに加えて、Spiralの特許技術「MarkFlex®Air」を活用しており、GPSが届かない環境でも飛行位置や動作の制御ができるものとなっている。

 「MarkFlex®Air」はレーザーセンサと飛行動作に関する指令が紐付けられたマーカーを使用して、ドローンの飛行動作を制御するというもの。監査廊の階段の始点・終点、曲がり角等といった飛行動作が変化する地点の壁面にマーカーを設置し、ドローンはマーカーから情報を読み取ることでに指令に沿った飛行動作が可能になる。飛行ルート上には充電ステーションが設置されており、ドローンは充電器に離発着を行いながら自動飛行を継続させることもできる。

(曲がり角に設置されたマーカー 出典:株式会社大林組)

 ドローンから撮影した映像は飛行ルート内の無線LANを通じて、遠隔地のパソコンにリアルタイムで表示し、点検箇所の状況確認ができる。専用のWEBアプリケーションを使用すれば、過去の映像履歴やマーカー認識時の時刻、ドローン周辺の温湿度等の確認ができる。

 大林組は今回の実証実験を踏まえ、今後の開発はAIを用いた壁面のクラックの自動検出やダムにかかる揚圧力を測定する圧力メーターの数値の撮影、ドローンの自動読み取りや自動制御等に取組む考えだ。加えて、監査廊以外の衛星測位ができない環境における点検作業への適用も進める。

 完成後のダムの点検作業は、ダムの管理者が監査廊を実際に歩いて、壁面のクラックや漏水の有無を目視確認する形が一般的だ。しかし、長距離(川上ダムの場合、約1km)の移動や急勾配の階段を上り下りする必要があるため、点検作業者への肉体的負担や転落災害などの危険等が課題としてある。

*アイキャッチ 出典:株式会社大林組

【情報ソース】
ダム建設現場でドローンを活用した監査廊点検システムの実証実験を実施 非衛星測位環境における点検作業の省人化、省力化を可能にしました、2022年08月02日、株式会社大林組

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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