【参画】三菱商事、ラオスの陸上風力発電事業(600MW)に出資/完成後はベトナムへ電力輸出

2021.06.17 事業参画・売買レポート


 2021年6月16日、三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」)は同社の100%子会社であるDiamond Generating Asia,Limited社を通じ、ラオス人民共和国(以下、「ラオス」)においてMonsoon陸上風力発電所の開発を行うImpact Energy Asia Development,Limited社(以下、「IEAD社」)に出資参画することを発表した。

(風力発電所所在地 出典:三菱商事株式会社)

 当該事業はラオスで初めて行われる風力発電所で、ラオス南部セコン県とアッテプー県にまたがる位置にIEAD社が開発を進めている。設備容量は600MWとなる予定で、実現すれば東南アジアで最大の陸上風力発電所となる。風力発電所の建設とともに、ベトナム社会主義共和国(以下、「ベトナム」)に向けて送電設備も敷設され、運転開始後はベトナムの国営電力会社であるVietnam Electricity社へ25年間売電する計画となっている(25年間の長期売電契約を締結済)。工事には2021年中に着工し、2024年中に運転開始となる予定だ。

 当該事業はラオス政府が推進する近隣諸国への電力輸出政策に合致した案件であり、ベトナム政府とラオス政府との間で2016年10月に締結された電力輸出に係る覚書(ベトナムは2030年までに合計5,000MWの電力をラオスより輸入するという内容)の一環として開発が進められている。ベトナムでは水力発電が主力電源であるが稼働率が低下する乾季の電力不足がこれまで課題となっていた。当該風力発電所が完成すれば、乾季には風力発電所が高稼働となることで電力を安定して供給することが可能になる。

(ストラクチャー図 出典:三菱商事株式会社)

 三菱商事は事業への出資参画をEarth Power Investment,Limited社(以下、「EPI社」)、BCPG Public Company,Limited社(以下、「BCPG社」)とともに行う。三菱商事はEPI社とともに設立する中間持株会社を通じてIEAD社に出資参画する。三菱商事のIEAD社への最終的な出資比率は23.65%になる。

    *アイキャッチ 出典:三菱商事株式会社

    【情報ソース】
    ラオスMonsoon陸上風力発電への出資参画について/同国からベトナムへの電力輸出、2021年6月16日、三菱商事株式会社

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