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【投資】ENECHANGE、カナダの地熱エネルギーソリューション企業に出資

2023.11.04 トピック


 2023年11月2日、ENECHANGE株式会社(以下、「ENECHANGE」)はジャパンエナジーキャピタルが運営する脱炭素テックファンドのJAPAN ENERGY ファンド(以下、「JEF」)を通じて、Eavor Technologies Inc.(以下、「エバー社」)に出資したことを発表した。

 エバー社はクローズドループ地熱利用技術の研究・開発を行うカナダのスタートアップ企業だ。2017年に設立され、本社はカナダのアルバータ州カルガリーにある。

 OMV AGが主導する1億8,200万カナダドル(1億3,150万米ドル)の資金調達ラウンドにおいて、Canada Growth Fund、Monaco Asset Management、Microsoft’s Climate Innovation FundとともにJEFは参加しており、既存投資家の中部電力株式会社、BDC Capital、bp ventures、Eversource Energy、Vickers Venture Partnersも出資した。

 エバー社のクローズドループ地熱利用技術(Eavor-Loop™)は地上と地下数千メートルをつなぐ網の目状のループを掘削し、その中で水を熱媒体として循環させることで地下の熱を取り出すというものである。地下の熱水や蒸気が十分に得られない地域でも効率的に熱を取り出すことが可能なため、広いエリアでの開発検討ができ、掘削後に地下の熱水や蒸気不足によって開発が中止となるリスクも回避できる。低需要時に地下に蓄熱し、高受容時に蓄熱したエネルギーを電力に変換する負荷追従型の調整力電源としての役割も担うことが可能だ。

 エバー社は2020年にカナダ・アルバータ州ロッキー・マウンテン・ハウス近郊にEavor-Loop™の実証プロジェクトの建設を完了させている。また2023年はじめには米国・ニューメキシコ州のEavor-Loop™の実証プロジェクトを完成させ、総垂直深度18,000ft(約5.49km)の高掘削の実証を成功させている。

 商業プロジェクトとしては、ドイツのゲーレッツリートで進められているプロジェクトがある。当該プロジェクトは深度約4.5kmまで掘削し地域暖房と電力供給を同時に目指すもので、電気エネルギー総発電容量約8.2MW、熱エネルギー総発電量64MWを見込んでものとなっている。

*アイキャッチ UnsplashAdam Bixbyが撮影した写真

【情報ソース】
ENECHANGE、先進的な地熱エネルギーソシューションのパイオニアであるEavor Technologies Inc.への出資を発表、2023年11月02日、ENECHANGE株式会社

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