【出資】三井物産・JOIN、フィリピンの総合インフラ企業メトロ・パシフィック・インベストメンツにTOB

2023.05.01 事業参画・売買レポート


 2023年4月27日、三井物産株式会社(以下、「三井物産」)と株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(以下、「JOIN」)はともに、フィリピン証券取引所上場企業であるMetro Pacific Investments Corporation(以下、「MPIC社」)の公開買付けに参画することを発表した。

 公開買付けは現主要株主のMetro Pacific Holdings(以下、「MPHI社」)やGT Capital(以下、「GTC社」)、MIG Infrastructure Holdings(以下、「MIG社」)と共同で実施するもので、三井物産とJOINはMit-Pacific Infrastructure Holdings(以下、「MPIH」)(*)を通じて参加する。

(*)MPIHの持分は三井物産が50%+1株、JOINが50%-1株。

 買付価格は普通株式1株につき4.63フィリピン・ペソで、買付予定数は最大で普通株式10,513百万株の予定。買付けに要する資金は48,676百万フィピリンペソ(日本円で約1,168億円、三井物産とJOINの持分は約319億円)。買付けは2023年5月下旬に開始し、2023年6月下旬に終了となる予定だ。

 現在の浮動株(36.6%)をすべて買付けた場合、公開買付後の株主及び出資比率はMPHI社(49.8%)、GTC社(20.0%)、MIG社(10.2%)、MPIH(20.0%)となる見込みだ。公開買付けで十分な株式を保有できればMPIC社はフィリピン証券取引所から非上場化する。

 MPIC社はフィリピンを拠点に、インフラ事業資産を保有している持株会社。電力・配電、上下水道、有料道路、鉄道、病院、農業など多様なインフラ事業で資産ポートフォリオが構成されている。2022年12月期の収益は50,882百万フィリピン・ペソ、純収益は13,137百万フィリピン・ペソ(1ペソは約2.4円)。三井物産は今後、MPIC社の事業展開支援や協業案件創出を図り、MPIC社の企業価値向上を進める考えだ。

*アイキャッチ UnsplashLaurentiu Morariuが撮影した写真

【情報ソース】
フィリピン総合インフラ会社Metro Pacific Investment Corporationの公開買付けの開始予定に関するお知らせ、2023年4月27日、三井物産株式会社
フィリピン共和国 総合インフラ運営事業への支援を決定、2023年04月27日、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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