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【テクノロジー】GPIとJAXA、海上風速データを可視化し「風の地図」作成へ

2023.03.19 トピック


 2023年3月13日、株式会社グリーンパワーインベストメント(以下、「GPI」)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」)は国立研究開発法人科学技術振興機構の受託事業「超広帯域アンテナ・デジタル技術を用いたレーダ及び放射計の開発と実証」の一環として、「超広帯域電波デジタル干渉計(Scanning Array for hyper-Multispectral RAdiowave Imaging、以下、「SAMRAI」)の洋上風力発電分野利用の検討」に関する協定を締結したことを発表した。

 SAMRAIは超広帯域アンテナ技術と超高速デジタル信号処理技術(1秒間あたり280億コマでマイクロ波の強度を収集、1チャンネル27MHzで最大3072チャンネルの情報を抽出)を組み合わせた技術で、周波数範囲1~41GHzの情報を単体で収集することができる超広帯域アンテナが使用されている。現在は、SAMRAIを活用した気象予報の高度化や地中埋設物(水道管など)の調査・点検の効率化等に向けた導入・検証が進められている。

 今回の洋上風力発電分野利用においては、SAMRAIを使用して、海上の白波や泡、表面傾斜を見て海上風速を推定し、高度補正モデルを通じて洋上風力発電設備の高さにおける風速を算出することが想定されている。最終的に、採れた高分解能風況データを基に「風の地図」として可視化し、洋上風力発電事業における適地選定の効率化に向けた検証を行う。現時点では、航空機搭載による技術開発や検証を実施しているが、2026年度に衛星へ搭載した実証機を打ち上げることを目指して研究開発を進める予定となっている。

 洋上風力発電事業では開発予定地における風の観測に基づいた発電量推定を行うが、実際の風況が異なった場合には事業採算性が低下するなど大きな影響が出てしまう場合がある。風況推定精度の向上によって、適地選定の精度向上や電力の安定供給など得られる利点が多いことから、事業者からの高分解能風況情報への期待は大きい。

*アイキャッチ UnsplashChris Kofoedが撮影した写真

【情報ソース】
JAXAと洋上風力発電分野利用の検討に関する協定締結のお知らせ、2023年3月13日、株式会社グリーンパワーインベストメント

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