【売買】明電舎・イームル工業、JA庄原から小水力発電所(140kW)を取得

2022.11.06 事業参画・売買レポート


 2022年10月26日、株式会社明電舎(以下、「明電舎」)はグループ企業のイームル工業株式会社(以下、「イームル工業」)が庄原農業協同組合から小水力発電所の譲渡を受けたことを発表した。

 イームル工業が取得した小水力発電所は広島県庄原市にある永金発電所(認可出力140kW)。横軸フランシス水車1台(イームル工業製)と横軸三相交流誘導発電機1台(明電舎製)で構成されている。運用開始は1966年で、老朽化と2018年の豪雨災害により現在は稼働を停止している。

 イームル工業は当該発電所の機器の入れ替えなど設備の全面改修を2024年度末までに行い、2025年度上半期から発電を再開させ、売電を開始する予定だ。主な改修内容は、水圧鉄管・水車・発電機等の更新や取水口・導水路・放水口等の改修となっている。発電再開後は、発電所内に配備するバッテリーに電気を常時蓄えておき、災害発生時には住民避難場所での電源として利用できるようにもする。

 日本国内に未開発でありながらも潜在的には水力発電所建設に適した「包蔵水力」は数多くあり、明電舎は同社が得意とする出力5,000kW未満の領域は約2,600ヶ所あると見込んでいる。今後、イームル工業は老朽化した既設小水力発電所の効果的な改修・運用の提案をはじめ、新規発電所の地点開発にも積極的に取り組む方針だ。明電舎グループは製品・サービスの提供のみならず、水力発電所の運営やO&Mなどの事業も含めた「水力発電の総合プロバイダー」を目指す考え。

*アイキャッチ UnsplashJeff DeWittが撮影した写真

【情報ソース】
水力発電による売電の事業化に着手~水力発電の総合プロバイダーを目指して~、2022年10月26日、株式会社明電舎

【情報ソース】
【開発】明電舎、秋田県三種町の八竜風力発電所を更新/投資額は約60億円
【稼働】中部電力、静岡県榛原郡のいちしろ水力発電所が営業運転開始
【融資】十六銀行など、岐阜県高山市の小水力発電プロジェクトにPF組成/組成金額12億2千万円

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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