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【戦略】日立造船、独の廃棄物発電会社大手シュタインミュラーを完全子会社化

2022.02.20 トピック


 2022年2月10日、日立造船株式会社(以下、「日立造船」)はドイツのSteinmüller Babcock Environment GmbH(以下、「SBE社」)の全株式を日鉄エンジニアリング株式会社(以下、「日鉄エンジニアリング」)から取得し、完全子会社化したことを発表した。

 2021年12月に日立造船の子会社Hitachi Zosen Inova AG(以下、「HZI」)と日鉄エンジニアリングとの間で株式譲渡に関する契約締結が発表されており、その後、譲渡価格や売り手の追加増資実行などについて手続きが進み、2月9日が株式譲渡実行日となった。2011年から2020年までの欧州におけるごみ焼却発電EPC業務受注シェアはHZIが36.4%で1位、SBE社は7.7%で3位だ。今回の株式譲渡によって欧州におけるごみ焼却発電シェアの1位と3位の経営統合が実現した形だ。

 SBE社は2002年に設立(創業1824年)されたエンジニアリング企業で、ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州グンマースバッハに本社を置いている。資本金は90百万ユーロ。廃棄物発電施設のEPCやO&Mを事業の柱としており、火力発電所向け排ガス処理設備のEPCなども行っている。ストーカ炉式廃棄物発電技術に強みがあり、ドイツやフィンランド、スウェーデンなどの北欧諸国でのゴミ焼却発電分野で豊富な実績がある。2014年には日鉄エンジニアリングが買収しており、日本国内においても3自治体(*)での導入実績がある。

(*)北九州市「新日明工場整備運営事業」(254t/日×2炉)、西いぶり広域連合「西いぶり広域連合新中間処理施設整備・運営事業」(74.5t/日×2炉)、川口市「川口市戸塚環境センター施設整備・運営管理事業」(142.5t/日×2炉)の3件。

 日立造船は英国やスイス、中東、ロシアなどの市場でごみ焼却発電の納入実績が豊富だ。SBE社の市場と異なるため相互補完することができ、日立造船は同社の重要戦略である海外でのサービス・メンテナンスの拡大に寄与するものと見込んでいる。今後はHZIの焼却炉サービスに、SBE社が得意とするボイラー関連のサービスも含めた形でサービス・メンテナンス市場での更なるシェア拡大を目指す方針。

*アイキャッチ Photo by Christian Lue on Unsplash 

【情報ソース】
Steinmüller Babcock Environment GmbHの全株式譲受が完了(*PDFファイルが開きます、523KB)、2022年2月20日、日立造船株式会社

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