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【レポート】(全6回)輸出信用機関(ECA)とプロジェクトファイナンスー第4回

2017.07.20 ナレッジ ハブ

ナレッジパートナー:井上 義明


3. 日本の輸出信用機関

 これまで輸出金融全般を見てきた。主要な輸出信用機関も見てきた。いよいよ日本の輸出信用機関を見てゆきたい。日本の輸出信用機関とは国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)である。国際協力銀行は財務省の傘下にあり、日本貿易保険は経済産業省の傘下にある[*15]

[*15] さらに国際協力機構(JICA)は外務省の傘下にある。国際協力機構はいわゆるODAの供与や青年海外協力隊の派遣などを行っている。

3-1. 日本の輸出金融

 日本の輸出信用機関である国際協力銀行と日本貿易保険が行う輸出金融は、欧米の輸出信用機関が行う輸出金融とは少々異なる特徴がある。それは国際協力銀行と日本貿易保険の両者が共に案件に参加し、前者が融資を供与し後者が保険を供与するという点である。民間銀行は日本貿易保険の供与する保険の下で融資を行う。従って、日本の輸出金融は国際協力銀行、日本貿易保険、民間銀行の3者が協働するのが基本である[*16]。3者が必ず協働するので、これを三位一体と呼ぶ向きもある。

[*16] 先進国向けの輸出金融では日本貿易保険のみで行うケースがある。事例数としては少ない。

 どうして3者で協働するのが特徴となるのか。欧州の輸出信用機関は専ら保険・保証を供与しており、フランスの輸出信用機関コファス(Coface)と協働するときもドイツの輸出信用機関ヘルメス(Hermes[*17])と協働するときも、それぞれ民間銀行との2者間の協働が基本になる。つまり、一国の輸出信用機関で関与するのは一つの輸出信用機関である。それに対して、日本の場合は2つの輸出信用機関が関与する。さらに、欧州の輸出信用機関は保険・保証のみの供与が原則であり、融資は行わない。これらの諸点が日本の輸出金融の特徴である。

[*17] ドイツの輸出信用機関Hermesの英語発音はハーミーズと聞こえる。初めて聞くと戸惑う。日本語ではヘルメスという呼び方が定着している。

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