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【CCS】JAPEX・日揮HD・川崎汽船、マレーシアでCCS事業化の検討

2023.11.25 トピック


 2023年11月20日、石油資源開発株式会社(以下、「JAPEX」)、日揮ホールディングス株式会社(以下、「日揮HD」)、川崎汽船株式会社(以下、「川崎汽船」)の3社はマレーシア国営エネルギー会社のPetroliam Nasional Berhad(以下、「ペトロナス」)の子会社であるPETRONAS CCS Ventures SDN BHD(以下、「PCCSV」)とマレーシアにおけるCCSの事業化に向けた検討の実施に合意し、4社による基本契約を締結したことを発表した。

 これまでにペトロナス、JAPEX、日揮グローバル株式会社、川崎汽船の4社でマレーシアにおけるCCS共同スタディが行われている。CO2地下貯留能力、CO2排出源からの海上輸送、圧入方法などの調査が実施され、マレーシアの海域において特定された枯渇油ガス田群および付帯する塩水帯水層を貯留対象とすることが、CO2圧入の実効性や早期の事業実現可能性を極大化すると判断され、今回の基本契約の締結に至っている。

 当該検討では、2024年の基本設計作業開始とその後の建設作業を視野に入れた具体的な準備作業に着手する。マレーシア国内で排出されるCO2に加え、日本など海外で回収されたCO2を船舶輸送し、海底下への圧入・貯留を2028年末に開始することを目指して、マレーシア国内のCO2を収集する陸上設備からのCO2輸送パイプラインの敷設、船舶輸送される液化CO2の受入設備、海洋圧入設備など、必要になる設備の仕様や費用の積算、事業スキームなどの詳細な検討を進める予定だ。

 当該検討で目指すCO2圧入量は事業開始時点で、マレーシア国内および日本を含むマレーシア外からの輸送分を合わせて年間約200万トン以上、2030年には同約500万トンであり、2030年代前半には同1千万トン以上への圧入量拡大も視野に入れたものとなっている。

 4社は2020年中盤の事業化決定、2028年末の操業開始を目指す予定。また、JAPEX、日揮HD、川崎汽船はJFEスチール株式会社と2023年6月から行っている、日本を起点としたCCSバリューチェーンの構築の共同検討も進め、当該検討との連携を図っていく方針。

*アイキャッチ UnsplashAmir Azhadが撮影した写真

【情報ソース】
マレーシアにおけるCCS事業化の検討に係る基本契約をペトロナスと締結、2023年11月20日、石油資源開発株式会社(*日揮ホールディングス株式会社、川崎汽船株式会社との共同リリース)

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