【寄稿】港湾法の一部改正 ー洋上風力発電事業の動向に着目してー

2019.12.28 ナレッジ

ナレッジパートナー:越元 瑞樹


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TMI総合法律事務所
弁護士 越元瑞樹
弁護士 富井 湧

1. 港湾法の一部改正

 第200回国会において、港湾法の一部を改正する法律(内閣第十五号。以下「本改正法」といい、本改正法による改正後の港湾法を「改正港湾法」という。)が2019年11月29日付で成立した。本改正法によって、以下の点について主として改正がなされている。[*1]

(1) 海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾(基地港湾)の指定制度の創設(改正港湾法第2条の4関係)
(2) 海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭を構成する行政財産の貸付け制度の創設(改正港湾法第55条の2関係)
(3) 港湾区域内等の公募占用計画の認定の有効期間の延長(改正港湾法第37条の3第4項関係)
(4) 国際戦略港湾に関する改正(改正港湾法第七章第三節関係)

 本稿では、上記のうち、現状の洋上風力発電事業の動向に関連のある(1)から(3)までの点について言及することとする。

[*1] 
本改正法の附帯決議においては、生物多様性や環境への配慮、災害等に伴う安全確保、長期的運用に伴う対応、原状回復に関する事項等が決議されているが、再エネ海域利用法の制定にあたっても上記と同様の事項の附帯決議がなされている。再エネ海域利用法と共通する事項もある一方、本改正法の附帯決議においては、貸付料の適切な設定及び波及的経済効果への言及等、港湾施設固有の事項も附帯決議されている。

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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