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【インフラマネジメント】構造計画研究所、フィンランド・ヘルシンキ市で路線バスを利用した橋梁モニタリング技術ついて共同研究/「スマートシティ構想」「e-Busプロジェクト」の一環として

2019.06.23 トピック


 2019年06月21日、株式会社構造計画研究所(以下、「構造計画研究所」)とフィンランド共和国の研究機関VTTフィンランド技術研究センターは山口大学の宮本文穂教授とともに、路線バスを利用したフィンランド国内の橋梁の維持管理データの収集と利活用に関する共同研究「Smart Bridge Health Monitoring」を実施したことを発表した。

(左:橋梁側加速度センサー 右:使用された路線バス 出典:株式会社構造計画研究所)

 当該共同研究は路線バスを利用した橋梁モニタリング技術のフィンランドにおける有用性を確認するものだ。これまで構造計画研究所が山口県などで調査研究を進めてきた「路線バスを利用した車載型センシング」についての技術・ノウハウがベースとなったものと言える。

 2018年09月06日に実証実験を行い、その後2019年05月17日まで研究を進め成果がまとめられた。実証実験の対象となった橋梁はMatinsilta橋とOlarin risteyssilta橋(エスポー市)の2橋、路線バスにはヘルシンキ地域交通局(HSL)運行のバス1台が使用された。加速度センサーを対象橋梁と路線バスの車軸に取り付け、路線バスが橋梁を通過する際の振動データをモニタリングし、収集したデータから独自に開発された「たわみ特性値」の算出・分析が行われている。

 実証実験の結果、たわみ特性値の前提条件となる橋梁とバスの振動の相似性の確認ができ、たわみ特性値が算出されたほか、段差通行時の振動データなど路面の状態の違いによるデータ変化も確認された。バスや橋梁の構造、気候等が日本と大きく異なるものの、路線バスを利用した「車載型センシング」がフィンランドにおいても応用できることが実証された形だ。今後は今回の実証実験以外の様々な条件のもと、通年でデータ収集を行う予定。実用化に向けてシステムの運用条件をより詳細に見極める。

(e-Bus プロジェクト 出典:LIVING LAB BUS)

 フィンランドの首都ヘルシンキ市は「スマートシティ構想」を掲げており、都市のあらゆる情報に誰もがアクセス・利活用できる社会基盤の構築が進んでいる。その中に「e-Busプロジェクト」がある。路線バスから得られる情報を活用し、市民生活の利便性向上を目指すプロジェクトだ。そのe-Busプロジェクトが提供する情報の一つに「交通インフラの健全性(Monitoring transport infrastructure health)」があり、路面や橋梁の劣化に関するデータが求められている。今回の共同研究は当該プロジェクトの一環として行われ、必要な情報を走行するバスの振動から取得する手法が試されたものだ。 

*アイキャッチ 出典:株式会社構造計画研究所

【情報ソース】
フィンランドにて路線バスを利用した橋梁の維持管理データ収集に関する共同研究を実施(*PDFファイルが開きます、451KB)、2019年06月21日、株式会社構造計画研究所(VTTフィンランド技術研究センターとの共同リリース)

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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