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【インフラマネジメント】浜松市・岐阜大学、産学官連携で道路橋(40橋)の「たわみ計測」実証実験/TTES社製の「TWMシステム」を採用、加速度から高精度で「たわみ」を算出する

2018.02.20 トピック


 2018年02月16日、浜松市は同市土木部と岐阜大学が連携して、市が管理する道路橋を対象にした「たわみ計測」の実証実験の実施を発表した。たわみ値の変化等が道路橋の効率的な維持管理に活用できるかを検証する。

 当該実証実験は道路橋に加速度センサを設置して荷重車を通過させることで、加速度を測定・解析し、橋梁のたわみ情報を収集する。その後、たわみ値の変化を分析し、橋梁の健全度との関係性を検証するという内容だ。浜松市が管理する道路橋のうち、橋長15~20mの約40橋で実施する。期間は2018年02月19日から02月23日の5日間。

(実証実験イメージ 出典:浜松市)

 当該実験に使用される加速度センサは株式会社TTES(以下、「TTES社」)が開発した『TWMシステム』技術(以下、「TWMシステム」)だ。たわみのローマ字表記(TaWaMi)からTWMを取り、システム名称としている。

 TWMシステムはIoT端末化した加速度計とクラウドシステムから構成されている。単純桁の橋梁に限り、技術者による計測装置の設定や調整は不要な上、装置設置後の計測から取得データの解析まで完全自動化されている。つまり、計測者の技量に関係なく、誰でも設置するだけで橋梁のたわみ計測を安定して行うことが可能だ。同システム1セットで1日30橋梁の「たわみ」計測ができ、測定結果はクラウドに保存されることから、携帯端末などで確認することができる。

 TWMシステムは橋梁上を荷重車が通過した際の加速度から橋梁のたわみを算出するのが特徴だ。「たわみ」は橋梁の健全度に非常に関係のある指標であるものの、計測の際は不動点を設定する必要があり、橋梁下が河川などの場合には計測が困難であった。TWMシステムでは、橋梁に生じた加速度からたわみを算出するため、計測点に装置を設置するだけで計測が可能となっている。計測精度は従来の直接変位計測と比較して±0.5mm以内の誤差で計測が可能で、従来の直接変位計測では難しかった車両による振動まで再現できる精度のようだ。

(わたみ計測手法の精度 出典:株式会社TTES

  TTES社では昨年、TWMシステムをミャンマー連邦共和国の首都ヤンゴン近郊にあるアジアハイウェイ1号線の橋梁や沖縄県での実証実験を行ってきた。今後も解析エンジンの開発や連続桁への自動化処理の適用などを進め、より現場に実装しやすい製品を目指す方針だ。

(沖縄県でのTWMシステムの計測状況 出典:株式会社TTES)

 一般的に、橋梁の老朽化や劣化が進むとたわみは大きくなる傾向があり、特に劣化が加速する段階になると一気に大きくなるという特徴がある。国土交通白書によれば、今から5年後の2023年には、約40万橋(橋長2m以上の橋約70万のうち)の約43%が建設後50年以上経過する橋梁となる。

*アイキャッチ 出典:株式会社TTES

【情報ソース】
産学官連携による道路橋の「たわみ計測」の実証実験について(*PDFファイルが開きます、205KB)、2018年02月16日、浜松市
浜松市・岐阜大による道路橋の「たわみ計測」の実証実験に協力します、2018年02月17日、株式会社TTES

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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