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【インフラマネジメント】NTT西日本、AIを活用した道路路面診断ソリューションを提供開始/「車で走る」だけで診断と視える化が完了

2018.04.11 トピック


 2018年03月29日、西日本電信電話株式会社(以下、「NTT西日本」)は株式会社NTTフィールドテクノとともに、AIを活用した道路路面診断ソリューション(以下、「当該ソリューション」)の提供開始を発表した。

 当該サービスはAIを活用して、道路路面性状に関する「データ収集」、「データ解析・診断」、「解析・診断結果の視える化」をワンストップで実施するものだ。昨年11月から12月末までの間、NTT西日本とICT連携協定を締結している堺市の道路においてフィールドトライアルを実施し、商用サービスとしての目途がついたことで、このほどサービス提供となった。

(出典:西日本電信電話株式会社)

 診断のためのデータ収集はスマートフォンとビデオカメラを搭載した一般車両で車道を走行することで可能となる。スマートフォンではIRI(*)を算出するための加速度や角速度を計測し、ビデオカメラで路面状況の画像を取得する。従来は路面性状測定車などの調査専門車両を用いて行われていたが、簡単な設備で実施することでコストを大きく抑えることに成功している。

(*)IRIはInternational Roughness Indexの略。日本語では国際ラフネス指数と呼ばれ、運転者の乗り心地を関連付けた舗装路面の劣化の程度を客観的に評価する尺度である。1986年に世界銀行によって開提案された。車両を一定の速度で走行させながら、垂直方向の加速度や変位などの計測を通じてIRI値を算出する。凸凹が多い・大きい(運転者の乗り心地が悪い)とIRI値は大きく出る。

 取集されたデータを基に、IRI値と舗装のひび割れや推定ひび割率が算出される。IRI値の算出には独自のアルゴリズム、ひび割れの画像解析にはAI技術がそれぞれ用いられており、自動で診断が進む。診断結果はそのままクラウド地図にマッピングされ、道路管理者などが損傷個所などを瞬時に把握できるように視える化される。つまり、路面性状の診断に当り、人はデータ収集車で車道を走行するだけだ。

 当該ソリューションの提供エリアは国内であれば、基本的に全国どこでも対応可能なようだ。(IRI値の測定には一定の速度で走る必要があり、道路の混雑状況や交通規制によっては対応が難しい場合も考えられる。)サービス料金は1kmあたり1万8千円(100km以上計測の場合での想定単価)。

 NTT西日本グループでは、当該ソリューションをベースにしながら、路面標示や標識、街路灯など、様々なインフラ構造物の状況把握や点検の効率化に対象を広げていく方針だ。

*アイキャッチ 出典:西日本電信電話株式会社

【情報ソース】
AIを活用した「道路路面診断ソリューション」の提供開始について~ 効率的な道路路面の点検を低価格で提供 ~、2018年03月29日、西日本電信電話株式会社(株式会社NTTフィールドテクノとの共同発表)
AIを活用した道路路面診断サービスのトライアルについて~ ICTによる道路メンテナンスサイクルの効率化をめざして ~、2017年11月13日、西日本電信電話株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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