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【売買】三菱商事、蘭洋上風力発電事業が2021年稼働を目指し工事着工/Partners Groupへ一部株式譲渡/BorsseleⅢ/Ⅳ

2018.07.04 事業参画・売買レポート


 2018年06月29日、三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」)は同社の英国100%子会社Diamond Generating Europe社(以下、「DGE社」)を通じて参画しているオランダの洋上風力発電事業「Borssele(ボルセレ)Ⅲ/Ⅳ」の建設を開始したことを発表した。同時に、同事業の株式の一部をスイスのインフラファンド「Partners Group」に譲渡した。

(プロジェクト予定地 出典:三菱商事株式会社)

 当該事業はオランダの沖合約22kmの北海海域で洋上風力発電事業を実施するものだ。総発電容量は約73万kW、一般家庭の使用電力量に換算すると約82.5万世帯相当の年間発電量となる見込みだ。総事業費は約1,800億円。2019年中に洋上据付工事に着手し、運転開始時期は2021年を予定している。

 当該事業は、Eneco社(本社:オランダ、ロッテルダム/10%)、Royal Dutch Shell社(本社:オランダ、ハーグ/20%)、Van Oord社(本社:オランダ、ロッテルダム/10%)と三菱商事(日本、東京/15%)の4社で開発を進めてきたが、今後は建設前のリスクが下がった段階で参画を希望していたPartners Group(本社:スイス、バール/45%)が加わり5社体制で事業推進する。(*カッコ内は本社所在地とBorsseleⅢ/Ⅳへの出資比率)
 Parners Groupの参画に伴い、Van Oord社以外は所有する株式の半分をそれぞれPartners Groupへ譲渡した。今回の譲渡は三菱商事の描いた戦略、つまり資産入れ替えによって発電事業のポートフォリオの最適化を図る戦略とも一致するものであり、事業は順調に進められているようだ。

(建設工事開始後の出資スキーム図 出典:三菱商事株式会社)

 三菱商事はDGE社を通じて欧州において4つの洋上風力発電事業に参画しており、総発電容量は約218万kWに上る。発電事業の他に、英国での海底送電資産の運営や独国での大規模蓄電システムによる出力調整力サービスなども実施している。

プロジェクト名所在国運転開始時期発電容量
ルフタダウネンオランダ2015年13万KW
ノーザーベルギー2019年予定37万KW
ボルセレⅢ/Ⅳオランダ2021年予定73万KW
モーレイイースト英国2022年予定95万KW

*アイキャッチ 出典:三菱商事株式会社

【情報ソース】
オランダにおける新規洋上風力発電事業の一部株式譲渡及び発電所の建設開始について、2018年06月29日、三菱商事株式会社

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