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【インフラマネジメント】大日本コンサルタントと川田テクノロジーズ、橋梁点検のニーズを満たしたドローンを開発/複雑な風の変化にも安定した飛行を実現

2018.04.24 トピック


 2018年04月18日、大日本コンサルタント株式会社(以下、「大日本コンサルタント」)と川田テクノロジーズ株式会社(以下、「川田テクノロジーズ」)は橋梁点検のニーズを満たしたドローン『空飛ぶデジカメ「マルコ™」』(以下、「当該ドローン」)を開発したことを発表した。

 当該ドローンの開発はNEDO「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」の一環として行われたもの。橋梁設計に強みを持ち、維持管理分野にも知見が豊富な大日本コンサルタントと橋梁の設計施工の他に次世代型ロボットの開発にも強みを持つ川田テクノロジーズがお互いの強みを持ちよることで機体開発が実現した。

(空飛ぶデジカメ「マルコ™」出典:大日本コンサルタント株式会社)

 機体の大きさは最大90cm四方。ロータガード部分は取り外すことができ、ローターを折りたためば52cm四方までコンパクトになる。最大重量は7.0kg。現場での取り回しのしやすさが考慮されており、運搬時などの負担が軽いものとなっている。

 活用シーンは「橋梁点検要領」レベルからスクリーニングとしての活用まで想定されており、地上からの利用だけではなく橋梁点検車などからも使用できるようにするなど、多様な運用を念頭に置いたものとなっている。点検対象部位はコンクリート床版、高橋脚や水上橋脚に的を絞った。

 具体的には、橋梁点検において近接目視の難しい箇所に対してドローンを飛ばし、搭載されたカメラ(スタビライザ付)で対象部位の画像を取得する。コンクリートなどに入ったひび割れは幅0.05mmレベルから検出可能だ。

  機体には超音波センサーや気圧センサーも搭載されており、対象部位との間隔を一定に保つ機能やカメラを部位に対して正対させる機能のほか、機体の上昇・下降速度を一定に保つ機能などがあり、ドローンを通じて安定した画像取得ができる。照度不足の際にはLED照明によって明るさを補完することも可能だ。

 ドローン「マルコ™」の強みは橋の周囲に発生する複雑な風の変化への対応力である。市販のドローンなどでは飛行性能が不足していることで複雑な風の変化に対応できないが、当該ドローンでは可変ピッチ型ローターを装備し、ガバナーとよばれる調整機によってローター回転数を一定化し、推力の制御をローターピッチ変化のみにすることで、複雑な風の変化にも対応できる強い回転翼機構を実現した。また、万が一突風などの不測の事態によって点検区域外に機体が飛ばされても、第三者に被害を及ぼさないよう2本のロープを組合せた安全装置も用意されている。

(第三者安全装置 出典:大日本コンサルタント株式会社)

 今後は実橋に対して「マルコ™」を利用して点検の試行を進めるようだ。パイロットの養成や運用体制の構築、画像解析やAI技術の組込みなども行い、2019年度末の実用化を目指す方針。

*アイキャッチ 出典:大日本コンサルタント株式会社

【情報ソース】
橋梁点検のニーズを満たしたドローンを開発しました、2018年04月18日、大日本コンサルタント株式会社(川田テクノロジーズ株式会社との共同リリース)

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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