2024.12.04
【SRI債】DBJ、10億米ドルのSRI債(サステナビリティボンド)を発行/大同生命やクレディ・スイスなど国内外の機関投資家が購入
2017.10.23 インフラ融資
2017年10月18日、株式会社日本政策投資銀行(以下、「DBJ」)は第3回となるDBJサステナビリティボンド(第70回MTN)の発行を発表した。サステナビリティボンドは近年発行が増加しているSRI債(Socially Responsible Inestment:社会的責任投資)の一つと位置付けられている債券であり、DBJとしては4回目の起債となる。
発行体 株式会社日本政策投資銀行
市場 ユーロ市場
発行額 1,000百万米ドル
償還期間 5年(2022年10月18日償還)
表面利率 2.500%
発行価格 99.972%
上場 ルクセンブルク証券取引所 Euro MTF
引受主幹事 ・J.P. morgan Securities plc
・Citigroup Global Markets Limited
・Daiwa Capital Markets Europe Limited
・Crédit Agricole Corporate and Investment Bank
調印日 2017年10月16日
払込日 2017年10月18日
債券格付 ・A1:Moody's
・A :S&P
発行金額は過去最大の発行額となる総額1,000百万米ドル、償還期間は5年、表面利率は2.5%となった。債券格付はムーディーズが「A1」、S&Pが「A」と評価した。グリーン金融商品専用の上場市場を持つルクセンブルク証券取引所に上場する。
DBJがこれまで発行してきたグリーンボンド等では、調達された資金はDBJ Grenn Building認証で高い評価を受けた建物やDBJ環境格付融資を受けた企業向けのファイナンスなどに充当されてきた。
今回新たに、GRESB最高位のGreen Starを取得したREITや不動産、事業法人等向けのファイナンス、再生可能エネルギー分野、クリーン交通関連分野でのファイナンスが資金使途の対象に加えられている。GRESBは不動産やインフラ施設などの実物資産ポートフォリオのESG(環境・社会・ガバナンス)パフォーマンスに関するベンチマーク評価を実施する組織。
また、プロジェクトの選定や資金管理等の体制については、外部認証機関であるSustainalytics PTE LTDのセカンドオピニオンも取得した。
今回のDBJサステナビリティボンドの引受主幹事は以下の4社が務めた。
・JPモルガン証券
・シティグループ・グローバル・マーケッツ
・大和キャピタル・マーケッツ・ヨーロッパ
・クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンク
DBJサステナビリティボンドを購入したのは大同生命保険株式会社、太陽生命保険株式会社などの国内保険会社の他に、AP2(Second Swedish National Pesion Fund)、Credit Suisse Asset Management、Danske Bank Asset Management、Fideuram Asset Management、PFA Asset Management等の海外機関投資家のようだ。購入した投資家の属性とその地域の構成割合は以下の通り。
(投資家属性別販売構成 DBJ資料より作成)
(地域別販売構成 DBJ資料より作成)
DBJはこれまで、平成26年にDBJ初のグリーンボンドを発行し、平成27年からはサステナビリティボンドを毎年発行している。DBJのサステナビリティ基本方針と第4次中期経営計画で掲げているサステナビリティ経営の一環として、今後もSRI債を発行を継続する方針だ。
【情報ソース】
・第3回DBJサステナビリティボンドの発行について~本邦発行体として過去最大の発行額、本邦唯一の年次継続発行によりSRI債市場の発展に貢献~、2017年10月18日、株式会社日本政策投資銀行
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