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【レポート】(全6回)輸出信用機関(ECA)とプロジェクトファイナンスー第3回

2017.07.13 ナレッジ ハブ

ナレッジパートナー:井上 義明


2-2 輸出金融の分類

 輸出金融はいくつかに分類することができる。借主がだれになるのかという観点で、

1)輸入者か輸出者か
2)借主は政府系機関か民間会社か

を分けて認識することは実務的に有用である。さらに輸出金融の供与が

3)融資の形を取るのか保証や保険の供与なのか

という分類も重要である。それぞれについて以下見てゆく。

2-2-1 借主は輸入者か輸出者か

 借主は輸入者か輸出者か、というと不審に思われる方もいるかもしれない。輸出金融の借主は輸入者しかあり得ないと考えるのが自然だからである。通常機器等を輸入する者が輸入代金支払いのため資金を必要とするので、輸出金融の借主は輸入者が普通である。輸入者(機器の購入者)に融資をつけるので、輸出金融はバイヤーズ・クレジットと呼ぶということを冒頭でも言及した。輸出金融の基本は輸入者が資金を調達する、つまり輸入者が借主となるという理解で間違いない。

 しかし、輸出金融には輸出者に融資を行い、融資を受けた輸出者が同資金を輸入者に転貸するという手法も存在する。これをサプライヤーズ・クレジット(短くサプ・クレ)という。サプライヤーズ・クレジットと呼称する理由は機器を提供する(サプライする)者に対して融資(クレジット)を行うからである。サプライヤーズ・クレジットの難点は輸出者が債務を負ってしまうことである。自ら債務を負って機器を販売する輸出者は、販売終了後も長期に亘り輸入者から資金回収を続けなければならない。これは輸出者として難儀なことである。[*14]

[*14] 車を購入するときに自動車会社提供のオートローンを利用する人がいる。オートローンは自動車販売者がファイナンスを供与している点で、このサプライヤーズ・クレジットのモデルに近似している。

 上記のような理由から、現在は輸出金融においてサプライヤーズ・クレジットはほとんど利用されていない。輸出金融といえばバイヤーズ・クレジットが主流である。もっとも、どうしてサプライヤーズ・クレジットという輸出金融の手法が存在したのか、は知っておく必要がある。それは輸入者の信用力が低すぎて、輸出信用機関が輸入者に融資をすることができない場合に次善策として用いられてきたものである。特に日本の高度経済成長の頃は資金調達自体が容易ではなかったので、輸出者が債務を負ってでも資金調達を強行し輸出事業を推進することがあったのである。

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