【開発】中部電力・川崎汽船など、カナダのファンディ湾内で潮流発電事業を共同開発

2021.08.09 事業参画・売買レポート


 2021年8月4日、中部電力株式会社(以下、「中部電力」)と川崎汽船株式会社(以下、「川崎汽船」)はカナダのノバスコシア州で計画されているイシュカ・タパ潮流発電事業について、アイルランドの再生可能エネルギー開発企業DP Energyと共同開発契約を締結したことを発表した。

 当該事業は潮の干満が激しいことで知られるカナダ・ノバスコシア州ファンディ湾の潮流を活用して発電事業を行うものだ。2023年に1基目の水中タービン発電機(定格出力:1,500kW)の運転を開始し、最終的には合計3基の水中タービン発電機の設置・運転を目指す計画。水中タービン発電機はオーストリアのAndritz社製のものを使用する。当該事業に対しては、カナダ天然資源省より総額約30百万カナダドルの補助金も出される予定だ。

(水中タービン発電機 出典:中部電力株式会社)

 当該事業による年間の想定発電電力量は約1,700万kWh、一般家庭の使用電力量に換算して約5,400世帯相当となる。Nova Scotia Power Incorporatedとの間で15年間の電力販売契約を締結する予定であり、発電した電力は当該契約に基づいて売電する。売電価格は1MWhあたり530カナダドル。

 今回の共同開発契約は当該事業の開発に対する費用拠出に限定したものとなっているが、中部電力及び川崎汽船は1基目の建設着工に伴って事業へ出資参画することも検討している。現在はカナダ水産海洋省の承認取得に向けて詳細検討を進めている。

*アイキャッチ 出典:中部電力株式会社

【情報ソース】
カナダにおける潮流発電事業に係る共同開発契約の締結について、2021年8月04日、中部電力株式会社(*川崎汽船株式会社との共同リリース)

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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