【出資】Jパワー、豪州Genex社の株式10%を取得完了

2021.05.19 事業参画・売買レポート


 2021年5月18日、電源開発株式会社(以下、「Jパワー」)は現地法人JPGA Partners Pty Ltdを通じて、豪州のGenex Power Limited(以下、「Genex社」)の普通株式10%を取得したことを発表した。

 Genex社は豪州証券取引所に上場する再生可能エネルギー企業だ。現在総出力770MWに及ぶ下記5プロジェクトを進めている。

プロジェクト名発電方式出力ステータス
Kidston Stage 1(KS1)
(キッドストン ステージ1)
太陽光50MW運転中
Jemalong Solar(JSP)
(ジェマロン ソーラー)
太陽光50MW運転中
K2-Hydo(K2H)
(ケーツー ハイドロ)
揚水250MW建設中
K2-Solar(K2S)
(ケーツー ソーラー)
太陽光270MW開発中
Kidston Stage 3(K3W)
(キッドストン ステージ3)
陸上風力150MW開発中
 

(Genex社プロジェクト位置図 出典:電源開発株式会社)

 JパワーはGenex社が豪州で進める揚水発電所(キッドストン揚水発電所プロジェクト)の建設・運営をサポートする技術支援契約や新規風力発電プロジェクト(キッドストン・ステージ3・ウインド)の開発に係る覚書を締結するなど、Genex社とこれまで協力関係を深めてきた。

 キッドストン揚水発電所はノースクイーンズランド州タウンズビル(Townsville)の北西270kmにある廃金鉱山で計画されており、キッドストンクリーンエネルギーハブと呼ばれている一連の再エネプロジェクトの中で主力プロジェクトに位置付けられている。計画地にある2つの採掘ピット(Wises Pit:52ha、Eldridge Pit:54ha)を上部及び下部の貯水池として活用し、定格出力250MWの揚水発電を行う事業だ。
 Jパワーでは当該事業のような再生可能エネルギーの価値を最大化する水力発電に着目したビジネスモデルを「WATER BATTERY」とし、日本、米国、豪州等で商標登録し、営業活動も進めている。

 一方のキッドストン・ステージ3・ウインドは発電出力150MWで計画されている陸上風力発電事業だ。Jパワーの持分比率は50%であり、当該比率に応じた持分出力は75MW。計画では2022年に建設工事に着工、2024年に運転開始が予定されている。

 今後JパワーはGenex社とともに、再生可能エネルギーの導入が進む豪州市場において、更なる再生可能エネルギーの導入拡大を目指す方針だ。

*アイキャッチ Photo by Joey Csunyo on Unsplash 

【情報ソース】
豪州Genex社の株式取得完了について~海外での再生可能エネルギーの更なる拡大に向けて~、2021年5月18日、電源開発株式会社

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