【投資】第一生命保険、ブラックロック運用のインフラファンドに55億円投資

2021.07.11 インフラファンド動向


 2021年7月8日、第一生命保険株式会社(以下、「第一生命保険」)はブラックロックが運用するインフラファンド「Climate Finance Partnership Fund」(以下、「当該ファンド」)に約55億円投資することを発表した。

 第一生命保険は運用収益の獲得と社会的インパクトの創出が両立するインパクト投資を推進しており、これまでインフラや医療、宇宙開発の分野などへ投資を行ってきた。今回の投資もESG投資の一環として行われたインパクト投資と位置付けられている。

 当該ファンドは新興国(非OECD加盟国)の再生可能エネルギー関連施設への投資に特化したインフラファンドだ。アジア・アフリカ・中米・ラテンアメリカなどの新興国における再生可能エネルギー発電施設(太陽光や風力発電等)の建設や運営プロジェクトのほか、送配電や蓄電施設などの発電に付随する設備を主な投資対象としている。

 プロジェクトへの投資後に、クリーン・エネルギーの発電量に基づく二酸化炭素排出削減量などを計測し、投資による社会的インパクトを独自手法で金銭的価値に換算することが当該ファンドの特徴だ。インパクト創出額を算出し、そのモニタリングも行うことで、機関投資家の賛同を得やすい形になっている。

 当該ファンドへは政府系金融機関であるドイツ復興金融公庫(KfW)やフランス開発庁(AFD)、国際協力銀行(JBIC)による出資が決定しており、新興国の人口増加や経済成長による将来的な電力需要の増加を念頭に、官民共同で再生可能エネルギー事業の開発を後押しする。政府系金融機関と民間投資家との間でリスク・リターンが適切に配分されており、第一生命保険は相対的にリスクの低い優先部分を引き受ける。

*アイキャッチ Photo by Anastasia Palagutina on Unsplash 

【情報ソース】
新興国向け再生可能エネルギーインフラファンドへの投資~官民共同での再生可能エネルギー開発支援を通じ、気候変動問題の解決に貢献~(*PDFファイルが開きます、295KB)、2021年7月8日、第一生命保険株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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