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【グリーンボンド】かんぽ生命、欧州投資銀行発行のClimate Awareness Bondに約285億円投資/「気候変動への認知を高める債券」

2019.05.25 インフラ融資


 2019年05月23日、株式会社かんぽ生命保険(以下、「かんぽ生命」)は欧州投資銀行(EIB)が発行するポーランド・ズロチ建て「Climate Awareness Bond」(以下、「CAB」)への投資を発表した。

 当該債券はEIBが発行する初のポーランド・ズロチ建てのCAB(気候変動への認知度を高める債券)だ。10億ポーランド・ズロチ(円ベースで約285億円)起債し、かんぽ生命が全額購入した。発行日は2019年05月23日、償還日は2029年11月15日。発行利率は2.875%。

 かんぽ生命は金融安定理事会によって設置された気候関連財務情報開示タスクフォースの提言に賛同表明しており、日本郵政グループCSR基本方針では「気候変動による影響に適応した事業運営に努めるとともに、地球環境への負荷低減に配慮した事業活動および環境保全活動を積極的に推進します。」と宣言している。加えて、日本郵政グループ中期経営計画2020においてSDGsの達成に向けた取り組みの一環として温室効果ガス排出量の削減等を掲げており、今回のCABへの投資もこれらの考え方に沿ったものと言える。

 EIBは2007年に世界初のグリーンボンドとなるCABを発行し、現在では国際機関最大のグリーンボンド発行体となっている。2018年には40憶ユーロ発行し、2018年末時点の発行総額は235億ユーロに至っている。同行は気候変動が最優先事項の一つであると考え、年間の投資額のうち最低でも25%を気候変動の緩和・適応を目的としたプロジェクトに投資している。2018年は9年連続で気候変動対策に対する目標も達成し、全資金調達の29%以上にあたる162億ユーロを気候変動対策事業へ資金提供した。発展途上国への投資については2020年までに目標を35%まで引き上げる方針だ。

*アイキャッチ Photo by Dawid Zawiła on Unsplash

【情報ソース】
「Climate Awareness Bond(気候変動への認知度を高める債券)」への投資、2019年05月23日、株式会社かんぽ生命
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同表明、2019年04月22日、株式会社かんぽ生命保険(日本郵政株式会社、株式会社ゆうちょ銀行との共同リリース)

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
ISS-アイ・エス・エス

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