2024.04.25
国交省、平成26年度空港別収支を公表
2016.03.10 トピック
国土交通省航空局(JCAB)が平成28年3月1日に、国管理27空港(共用空港も含む)の平成26年度空港別収支を公表した。
各空港を合算した国全体としての航空系事業(着陸料等の収入)における営業収益は1048億2500万円となり前年度に比べ75億5800万円の増益となった。そのことを受け、営業損益は△219億1300万円(対前年度比+33億7400万円)、経常損益は226億200万円(対前年度比+162億9100万円)とそれぞれ前年度に比べ改善の傾向となった。
増収増益の要因としては訪日外国人旅行者の増加に伴う航空需要の拡大や東京国際空港の昼間時間帯の発着枠の増加、LCCの新規就航や増便などが考えられている。
一方で個別の空港ごとに経常損益を見ると、熊本空港や松山空港など前年度比でマイナスとなっている空港もあり、黒字の空港は27空港中に10空港に留まる。
非航空系事業の収支(ターミナルビル等の各事業者の損益について単純合算したもの)は営業損益321億6700万円(対前年度比+115億5300万円)、経常損益278億2700万円(対前年度比+118億6700万円)となり、前年度に続き全ての空港で黒字推移となった。
「免税店における売上の増加、商業施設の活性化」(福岡)、「国際線の拡充に伴う新国際線旅客ターミナルビルにおける施設使用料や店舗売上が増加」(那覇)など各事業者からの事業報告があり、航空需要やインバウンド消費の拡大が大きく影響しているようだ。
平成26年度「航空系事業+非航空系事業」の収支(損益) (資料:国土交通省)
EBITDA(利払前税引前償却前営業利益)も公表されている。国管理空港全体では航空系事業も非航空系事業も伸びており、合算したEBITDAは1059億6800万円(対前年度比+148億2400万円)。だが、各空港ごとに見ると、損益と同様明暗が分かれる。航空系事業のみでEBITDAを見た場合、26空港(八尾空港は乗降車数がゼロのため記載されていない)のうち、8空港が黒字で、残り18空港が赤字となる。非航空系事業を合算すると、18空港が黒字、8空港が赤字と改善される。乗降客数が多い空港では非航空系事業で収支を改善することも可能だが、乗降客数が200万人を切る空港では黒字化の難しさが感じられる。
平成26年度「航空系事業+非航空系事業」の収支(EBITDA) (資料:国土交通省)
【情報ソース】
・平成26年度 空港別収支(試算結果)の公表、2016年3月1日、国土交通省