【参画】三菱商事、英国海底送電事業で新たに優先交渉権を獲得/資産規模は過去最大級の約751億円

2018.07.14 事業参画・売買レポート


 2018年06月21日、三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」)は英国100%子会社であるDiamond Transmission Corporation Limited(ダイアモンド・トランスミッション・コーポレーション社、以下、「DTC社」)を通じて、英国海底送電事業において新たに優先交渉権を獲得したことを発表した。事業取得となれば、三菱商事が英国にて参画する海底送電プロジェクトはこれで6案件目となる。

(送電資産稼働位置 出典:三菱商事株式会社)

 優先交渉権の対象となる事業は、英国東部の沖合約27kmの洋上で実施しているレースバンク洋上風力発電所(発電容量:573MW)とナショナル・グリッド社が保有するワルポール変電所を結ぶ海底・陸上送電線のほか、それらに付随する洋上・陸上変電設備の運営を実施するものである。海底送電ケーブル長は71kmとなる計画で、資産規模は英国において過去最大級の約751億円(500.9百万ポンド)となる。これから英国当局や洋上風力発電所の保有者などとの協議を行い、計画通りに進めば、2018年度中に同資産の事業運営権を取得し、20年間に亘り送電を実施する。

三菱商事の参画する海底送電プロジェクト一覧(2018年06月21日時点)                                                      

プロジェクト名称所在地参画・事業開始時期海底送電ケーブル長送電容量(万kw)
ウォルニー1英国2011年11月48km17.8
ウォルニー22012年10月48km17.8
ボルウィン1及び2独国2012年12月200km/200km40/80
ドルウィン2及びヘルウィン2135km/130km90/69
シャリンガムショール英国2013年07月45km31.5
ロンドンアレイ2013年09月54km63
バーボバンクエクステンション2018年04月25km25.8
レースバンク2019年03月(予定)71km57.3

 英国ではこれまで18件の海底送電プロジェクトがあり、そのうち三菱商事は6つの事業に参画している。ドイツで実施している4つの事業を合わせると、欧州で10件、総送電距離約960km、総送電容量約5000MWの海底送電事業運営者だ。資産の保守管理業務等を担う専門チームやノウハウを持つDTC社は競争力のある事業運営者となっている。
 欧州では2030年までに約5,000万kWの洋上風力発電が導入される計画があり、三菱商事では送電系統の安定した操業は今後さらに重要性を増すと見ている。

*アイキャッチ 出典:三菱商事株式会社

【情報ソース】
 ・英国海底送電事業の優先交渉権獲得について、2018年06月21日、三菱商事株式会社

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