【参画】住友商事、ブラジルで上下水道運営や水処理に参入/出資額は約250百万米ドル

2017.05.24 事業参画・売買レポート


 平成29年4月26日、住友商事株式会社(以下、「住友商事」)はブラジルにおける水事業に参画することを発表した。

 Brookfield Business Partner社(本社:カナダ)とBrookfield Asset Management社の投資顧客と共同で、オデブレヒト・アンビエンタル社(http://www.brkambiental.com.br/)が保有するブラジルの上下水道や産業用水処理事業26社の株式70%を取得する。住友商事の出資総額は約250百万米ドル、日本円で約280億円ほどになる。最終的な間接持分比率は14%になる見込み。

 今回の事業参画によって住友商事はブラジル国内の12州、約100市町村、約1,700万人を対象に上下水道や産業用水処理サービスを提供することとなった。住友商事はこれまでの水事業で培ったノウハウを活かし、人材を複数名派遣し、日本式の運営・管理を実践する考えだ。

 ブラジルの国家衛生システム(SINS)によると、ブラジルの上下水道の普及率は上水道が約83%、下水道は約50%にとどまっているのが現状だ。しかも、水道管からの漏水は多く、上下水道インフラの整備だけでなく、事業運営や維持管理面での強化も急務となっている。
 このような現状がある一方で、ブラジル政府は上下水道セクターに対し民間資本を導入する方針を取っており、コンセッション方式での事業化拡大も見込まれている。(現在のブラジル国内の水事業の民営化率は約10%程)
 


(サンパウロ州の下水処理場 出典:住友商事株式会社)

(日本製の漏水発見器 出典:住友商事株式会社)

 住友商事は東京都の出資団体である東京水道サービス株式会社や東京都下水道サービス株式会社等と複数回にわたり、ブラジルで現地調査を実施している。それにより、日本式の質の高い事業運営ノウハウと日本メーカーの技術力提供を持ってすれば、ブラジルにおいても強みが発揮でき、市場拡大が見込めると判断したようだ。

(*アイキャッチ画像 出典:住友商事株式会社)

【情報ソース】
ブラジルにおける水事業への参画について、平成29年4月26日、住友商事株式会社

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