【参画】NEXCO中日本など、ベトナムの有料道路事業の運営に参画/首都ハノイ市近郊の延長43.44km

2017.06.09 事業参画・売買レポート


 2017年6月5日、中日本高速道路株式会社(以下、「NEXCO中日本」)と日本高速道路インターナショナル株式会社(以下、「JEXWAY」)は日本の高速道路会社として初めてベトナムの有料道路運営に参入することを発表した。

 4日に、NEXCO中日本とJEXWAYはベトナムのハノイ市に本社を置くフェコン社(FECON Corporation)とその傘下グループ会社であるFCI社(FECON Infrastructure Investment Joint Stock Company)と「戦略的パートナーシップ協定」を締結した。協定は2030年までを有効期間とし、以下の内容で相互に協力するというもの。

  • ベトナム側はプロジェクトの発掘・ベトナム政府等ステークホルダーとの調整・各種現地情報提供などについて日本側に協力する。
  • 日本側は技術移転・各種研修・日系パートナーとの調整等についてベトナム側に協力する。
  • 両社の協働事業について相互に協力しつつ進めていく。

 同時にNEXCO中日本とJEXWAYはフェコン社からFCC社の株式20%を取得し、本格的にベトナムの有料道路運営に参画する。FCC社は昨年11月24日に開通したベトナム国ハナム省の有料道路「フーリーバイパス」を運営する特的目的会社だ(資本金:約14億円)。

(FCC社の株式取得の概要 出典:中日本高速道路株式会社)

 運営対象となる有料道路は新設バイパス23.33kmと既設国道の改良20.11kmを併せた、延長43.44kmの道路になる。車線数はバイパスが2車線で、既設国道部分は4車線ある。規制速度は80km/h。通行料金は普通車で25,000VND、日本円で約125円だ。(*1円=200VND)
 開発に当たっては民間資金を活用する形を採用し、BOT(Build-Operate-Transfer)方式で整備された。

(フーリーバイパス 出典:中日本高速道路株式会社)

 これまでNEXCO中日本が2008年12月に開設したベトナム駐在員事務所(在ハノイ)で市場調査を進めるほか、2015年10月にはFCI社との間で有料道路投資事業協同参画に向けた覚書を締結するなど、中長期に亘りパートナー関係の構築を続けてきた。

(*アイキャッチ画像、フーリーバイパスのうち既設国道改良部 出典:中日本高速道路株式会社)

【情報ソース】
ベトナムフェコン社と戦略パートナーシップ協定を締結~日本の高速道路会社で初となるベトナムの有料道路事業に参入します~、平成29年6月5日、中日本高速道路株式会社

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