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【売買】ケベック州貯蓄投資公庫など、伊エネル社から再エネ事業1.7GWを取得/エネル社はBSO(Build-Sell-Operate)方式を推進

2017.10.20 事業参画・売買レポート


 2017年10月9日、伊電力大手のEnel社(以下、「エネル社」)は同社子会社であるEnel Green Power S.p.A.(エネルグリーンパワー社。以下、「EGP社」)を通じて、8つの風力・太陽光発電事業をポートフォリオに持つ持株会社を新設し、当該持株会社の株式80%をカナダとメキシコの機関投資家へ売却することを発表した。

 当該株式を取得する機関投資家はカナダのケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)とメキシコの機関投資で構成されたコンソーシアムであるCKD Infraestructura México(CKD IM)(*)である。両者の間で2015年に投資プラットフォームが構築されており、今回取得する資産も同様にプラットフォームで一括管理される。投資金額は13億米ドル。その内訳は持株会社の取得に約3.4億米ドル、当事者貸付としての融資約10.1億米ドル。
 エネル社では今回の取引がグループの連結負債を約19億米ドル削減する効果があるとしている。

(*)CKD IMはAFORE XXI Banorte(メキシコ最大の年金ファンド)、AFORE SURA(メキシコで3番手の年金ファンド)、AFORE BANAMEX(メキシコの退職金運用機関の一つ)、PENSIONISSTEE(メキシコ唯一の州政府がスポンサーを務める年金ファンド)、Fonadin(メキシコの国営インフラファンド、ソブリンウェルスファンド)から構成されたコンソーシアム。

 8つの再エネ事業は3つの既に稼働している発電所(429MW)とまだ建設中の5つの発電所(1,283MW)から成り、合計すると1.7GWにもなる。個別具体の発電所の概要は下記表にまとめた。全ての案件で長期売電契約(PPAs)を締結している。エネル社では先述の持株会社の株式20%を継続保有する計画で、上記の発電所の運営・維持管理や建設途中の発電所の工事は引き続き実施していく。

  

発電方式発電所名称発電容量
太陽光発電Villanueva Ⅰ427MW
Villanueva Ⅲ327MW
DonJose238MW
風力発電Amistad198MW
Dominica200MW
Palo Alto129MW
Salitrillos93MW
Vientos del Altiplano100MW

 エネル社はメキシコで上記8つの事業の他に、風力・太陽光・水力発電事業等で300MWを進めており、こちらについては継続して同社の直接管理を続ける方針だ。また、2020年1月以降に新たな案件を持株会社に移行する可能性も示唆している。

 エネル社は同社の『2017-2019 Strategic Plan』において、 BSO方式での再エネ開発を戦略として掲げていた。BSO方式はBuild(建設)-Sell(売却)-Operate(運営や維持管理)。このモデルの活用で再エネ事業への迅速な資金提供ができ、全体的な事業リスクも削減できると評価している。企業成長の速度を加速させることができる方式として、今後もBSO方式による事業参画を推進させる考えだ。

*アイキャッチ Photo by Jake Sloop on Unsplash

【情報ソース】
ENEL SELLS MAJORITY STAKE IN 1.7 GW OF RENEWABLES PLANTS IN MEXICO、2017年10月9日、ENEL(エネル社)

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