【開発】日立レールSTS社、参画コンソーシアムがカナダ・オンタリオ州のLRTプロジェクト受注

2019.10.30 事業参画・売買レポート


 2019年10月23日、株式会社日立製作所(以下、「日立製作所」)は同社のグループ会社「日立レールSTS社」の参画するコンソーシアムがカナダ・オンタリオ州のLRT(次世代型路面電車システム)事業を受注したことを発表した。

(ヒューロンタリオ ライトレール トランジットの完成イメージ 出典:株式会社日立製作所)

 当該事業はオンタリオ州南部に位置するミンサガ市とブランプトン市を結ぶ新規路線計画『Hurontario Light Rail Transit』プロジェクトだ。ミンサガ市ポート・クレジット地区からブランプトン市ゲートウェイターミナルまでのヒューロンタリオストリートに沿った全長18km、19の停留所を結ぶLRT路線を開発・運営する。2024年の秋に営業運転する予定だ。

 日立レールSTS社が参画したコンソーシアムはMobilinxコンソーシアムだ(構成企業は日立レールSTS社のほか、Astaldi Canada Enterprises Inc.、Salini-Impregilo S.p.A.、John Laing Investments Limited、Transdev North America, Inc.、Amico Concessions Inc.、Bot Engineering & Construction Ltd.)。このコンソーシアムとオンタリオ州のインフラ公社「インフラストラクチャー・オンタリオ」及びオンタリオ州政府機関のMetrolinxがLRT事業に関する契約を締結した。その契約金額は約46億カナダドル(日本円で約3,810億円)。

 日立レールSTS社はMobilinxコンソーシアムを通じて、当該事業に係る商務、設計・建設、30年に亘る運営・保守などを担当する。運営面では無線式列車制御システム(*)などの運転手を支援するための高度な安全システムを提供し、保守面では路線の運用管理センターや車両の保守・保管施設用の機器も提供する方針だ。

(*)プレスリリースより引用
CBTC(Communication Based Train Control):IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)によりIEEE1474として規格化された都市交通向けの列車制御システム

 これから開発が進む新しいLRT路線は年間最大1,400万人の利用客が見込まれている。オンタリオ州の主要都市であるトロント市を中心として走行する公共交通機関「GOトランジット」やその他の公共交通機関と接続する予定。交通ネットワークが強化されることでアクセスが良くなるほか、交通渋滞の緩和や環境改善が期待されている。

*アイキャッチ 出典:株式会社日立製作所

【情報ソース】
日立レールSTS社が参画するモビリンクスコンソーシアムがカナダのヒューロンタリオライトレールトランジットプロジェクトを受注 日立レールSTS社がコンソーシアムメンバーとともに商務、設計・建設、運用・保守などを担当、2019年10月23日、株式会社日立製作所

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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