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【融資】IFC、ミャンマー初のバルクターミナル事業に長期資金を提供/輸送コスト削減、港湾サービスの多様化に貢献

2018.04.02 インフラ融資


 2018年03月27日、国際金融公社(International Finance Corporation、以下「IFC」)はミャンマー連邦共和国(以下、「ミャンマー」)で初めてとなる穀物・飼料等のバルク貨物取扱を主とするターミナル開発・運営事業を対象に、1,500万ドルの融資を行うことを発表した。

 当該事業は、ミャンマーの大都市ヤンゴン近郊に位置するティラワ地区港(Thilawa River Port)において、ミャンマー初となる穀物・飼料等バルク貨物取扱を主とするターミナルを開発・運営するものである。同国ではこれまでバルク輸送に特化した設備がないことから、バルク商品をコンテナ輸送するに際して手間やコストが余計にかかり、生産者や貿易業者の負担が大きかったが、今後は物流・輸送コストを大きく削減することができる。競争力の向上から、農産物のバルク輸送市場の創出や貿易の拡大も期待されている。今後、米や小麦、飼料の流通が拡大すれば、将来的には非農産物の取扱いもできるようになるようだ。

 開発を進めるのはミャンマーでの食品事業会社であるルビア・リミテッド社(以下、「ルビア社」)と日本の大手物流企業である株式会社上組(以下、「上組」)が共同出資して設立した事業会社「International Bulk Terminal(Thilawa)Co., Ltd.」(以下、「IBTT社」)である。出資比率はルビア社が75%、上組が25%となっている。なお、ルビア社は三菱商事株式会社とミャンマー大手複合企業であるキャピタル・ダイヤモンド・スター・グループの合弁企業だ。

 当該事業の総事業費は約6,500万ドル(約69億8千万円)。そのうちIFCが1,500万ドル(約15億9千万円)を長期資金として融資する。インフラ開発への長期資金の提供は公的資金を補完する形となることで、民間資金を活用してインフラ整備を進めたいミャンマー政府の方針とも合致した内容となった。

(*)1ドル=106円で換算

 IFCでは当該事業への融資がティラワ地区港における港湾サービスの多様化に貢献すると考えている。また、ミャンマーの地理的条件を背景に、同港の東南アジアにおける船舶輸送拠点としての発展も見込んでいるようだ。

 * アイキャッチ Photo by chuttersnap on Unsplash

【情報ソース】
IFCがティラワ地区港におけるミャンマー初のバルクターミナル開発に融資、貿易促進と競争力向上を支援、2018年03月27日、IFC(International Finance Corporation、国際金融公社)
ミャンマー・ティラワ地区港におけるバルクターミナル開発・運営の為の事業会社設立について、2017年12月11日、株式会社上組

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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