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【融資】日本生命、豪州のPPP海水淡水化プラント運営プロジェクトに約156億円融資/長期安定の利回り獲得と社会貢献を両立

2017.10.27 インフラ融資


 2017年10月19日、日本生命保険相互会社(以下、「日本生命」)はオーストラリア国ヴィクトリア州メルボルン市での海水淡水化プラント運営事業に176百万豪ドル(約156億円)の融資を実行したと発表した。

victorian desalination plant

 

 融資の対象となった事業の名称は『VICTORIAN DESALINATION PROJECT』といい、海水を淡水化し、メルボルン市内やジーロング市などに供給する事業である。干ばつや渇水への対策を目的に官民連携事業(PPP)として実施された。
 2009年7月30日にビクトリア州政府と民間事業者AquaSure社との間で契約が締結され、2039年9月までの約30年を事業期間とする海水淡水化事業が始動している。AquaSure社が事業運営者として、これまで資金調達、建設、維持・管理、運営を実施している。

(海水淡水化プラント外観 出典:日本生命保険相互会社)

 施設はメルボルン市のウォンタッギ(Wonthaggi)にある。主な施設は海水を摂取或いは排出するための海底トンネル、海水淡水化プラント、直径1.9mで長さ84キロメートルの送水パイプラインだ。

 年間1,500億リットル(約40万トン/日)の造水及び供給能力があり、最大で年間2,000億リットルまで対応可能だ。人口約460万人のメルボルン市での年間水使用量に換算すると約1/3を賄うことができる。メルボルン市の他に、サウスギップスランド(South Gippsland)やウェスタンポート湾(Westernport)にも必要に応じて供給される。

(海水淡水化プラント外観 出典:日本生命保険相互会社)

  今回の日本生命による融資は借換資金として実行されるものである。シンジケートローンの組成段階から参加した。金額は176百万豪ドル、日本円で約156億円になる。これは借換総額766百万豪ドルの23%を占める。具体的な利回りは公表されていないが、同社では「長期間にわたって魅力的な利回り獲得が期待できる」としている。

 日本生命は中期経営計画「全・進 – next stage -」(2017 – 2020)において、4年で1.5兆円の成長・新規領域への投融資を掲げ、ESG債等への投融資2,000億円を目標としている。社会貢献領域への資金提供となった今回の融資もその計画に沿ったものと位置付けている。

【情報ソース】
オーストラリアでの海水淡水化プラント運営プロジェクトへの融資について(*PDFファイルが開きます、223KB)、2017年10月19日、日本生命保険相互会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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