【売買】カナディアン・ソーラー、豪州の太陽光発電所を英Foresight Group社へ売却/3施設で出力合計117MWp

2017.10.26 事業参画・売買レポート


 2017年10月16日、カナディアン・ソーラーは豪州で開発を進めている太陽光発電所3施設を英国のForesight Group社傘下であるForesight Solar Fund Limited(以下、「FSFL」)に売却することを発表した。

 売却する太陽光発電所はロングリーチ太陽光発電所(17MWp)、オーケイ1太陽光発電所(30MWp)、オーケイ2太陽光発電所(70MWp)の3施設。発電出力の容量は合計で117MWpとなる。この内、FSFLが取得するのはロングリーチ太陽光発電所とオーケイ太陽光発電所の持分49%とオーケイ2太陽光発電所の持分100%だ。

クイーンズランド州

 

 3つの太陽光発電所はいずれもオーストラリアのクイーンズランド州で建設工事中である。ロングリーチ太陽光発電所とオーケイ1太陽光発電所はクイーンズランド州政府を20年に亘る長期売電(オフテイク)契約を結んでおり、それぞれ2018年の3月と9月に送電網との接続が予定されている。一方、オーケイ2太陽光発電所は売電の他に、RET(Renewable Energy Target)(*)の枠組みの下で、大規模発電証書(LGC)を売却することによる収益も見込んでいる。こちらは2018年8月に送電網への接続が完了する予定だ

(*)オーストラリア貿易投資促進庁のウェブサイトより引用
Renewable Energy Target(RET):
2001年に政府はRETを設定、その後の2011年1月の改正RETでは、2020年時点の再生可能エネルギー由来発電を総発電量の20%にすることにしています。電力小売り事業者は家庭を中心とした小規模発電に発給される証書STC、発電所などの大規模発電に発給される証書LGC双方を買い取り・償却することで、RET達成をサポートします。各証書は需給者間での市場価格またはClearing Houseでの固定価格で取引・償却されます。

 ロングリーチ太陽光発電所とオーケイ1太陽光発電所の開発資金はカナディアン・ソーラーのエクイティの他に、オーストラリア再生可能エネルギー機関(ARENA:Australian Renewable Energy Agency)からの助成金、オーストラリア政府が設立したCEFC社(Clean Energy Finance Corporation)と三菱東京UFJ銀行からのシニア債から構成されている。

 Foresight Group社はインフラやプライベートエクイティを対象とする独立系の投資マネージャー企業。本社はロンドン、英国以外ではシドニーやローマ、サンフランシスコに事務所を構えている。英国、南ヨーロッパ、オーストラリア、北米などで100以上の太陽光発電所(発電容量1.2GW)に投資をしており、その額は16億ポンドを超える。CEFCからの資金を基に組成されたオーストラリアバイオエネルギーファンド(2億豪ドル)の管理もしており、2百万~50百万豪ドルの廃棄物発電分野への投資を行っている。

アイキャッチ Photo by Jamie Street on Unsplash

【情報ソース】
CANADIAN SOLAR ENTERS BINDING CONTRACTS FOR THE SALE OF THREE SOLAR FARMS TOTALLING 117 MWP IN QUEENSLAND, AUSTRALIA、2017年10月16日、Canadian Solar

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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