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【PPP】双日、トルコで病院PPP事業に参画/総事業費2,000億円、2020年10月開院を目指す

2017.07.26 PFI


 2017年7月21日、双日株式会社(以下、「双日」)はトルコで病院施設運営事業に参画することを発表した。

İkitelli

 当該事業はトルコのイスタンブール市内に整備予定のイキテリ(İkitelli)総合病院をPPP(官民連携)事業として、設計・建設し、その後約25年に亘り施設運営・医療周辺サービスまでを提供する内容だ。いわゆる、DBFM方式(*)である。

 建設着工予定は2017年9月に計画されており、計画通りに進めば、2020年10月の開院予定である。敷地面積約76万㎡の土地に約2,682床の病床数の規模で計画されており、総事業費は約2,000億円。日系企業が施設運営に関与する単一の病院としては、国内外含めて最大規模のものとなる。

(*)DBFM方式:Design(設計)、Build(建設)、Finance(ファイナンス)、Management(運営)を示す各単語の頭文字を取り、DBFM方式と呼ばれるPPP事業の手法の一つ。 

(出典:双日株式会社)

 トルコでは病床不足が課題となっており、官民連携による4万床分の公立病院の整備がトルコ保険省によって計画されている。今回のイキテリ総合病院の整備もこの一連の計画の中のものであるが、一般病棟のほか、循環器病棟、癌病棟、婦人病棟、小児科病棟、整形外科病棟、理学病棟を含む新設の総合病院としては、最大規模のものとなっている。

 当該事業を推進する事業会社は「Istanbul PPP Saglik Yatirim A.S.」。双日グループが30%(約334億円)出資し、残りの70%は現地トルコ共和国の企業Ronesans Holding A.S.が出資することで設立される。このうち双日グループが出資する約334億円については、株式会社日本貿易保険(以下、「NEXI」)と世界銀行グループのMultilateral Investment Guarantee Agency(多数国間投資保証機関、本部:ワシントンDC、以下「MIGA」)が投資保険を適用する。保険責任期間は29年。NEXIは同時に、MIGAが引き受けるトルコのカントリーリスクの一部に対して再保険を供与する。

 事業会社へは協調融資で1,630億円の融資もされている。参加金融機関は、株式会社三井住友銀行、日本生命保険相互会社、株式会社三菱東京UFJ銀行、スタンダード・チャータード銀行東京支店、第一生命保険株式会社、株式会社伊予銀行、株式会社国際協力銀行(以下、「JBIC」)である。JBICはそのうちの約813億円を限度とするプロジェクトファイナンスによる貸付を行うほか、民間金融機関の融資の一部に対して、ポリティカル・リスクに関する保証を提供する。その他の部分に関してはNEXIによる保険が付保されるようだ。

 双日は2017年4月に環境・産業インフラ本部に「医療インフラ推進室」を新設しており、トルコへの日本式の病院運営・施設管理のノウハウ導入を目指す。

*アイキャッチ 出典:双日株式会社

【情報ソース】
トルコ共和国における病院施設運営事業への参画について、2017年7月21日、双日株式会社
トルコ共和国におけるイキテリ病院PPP事業に対するプロジェクトファイナンス及びポリティカル・リスク保証、2017年7月21日、株式会社国際協力銀行
トルコ共和国/病院PPPプロジェクト向け投融資に対する保険の引受~病院PPPプロジェクトの引受第1号案件~、2017年7月21日、株式会社日本貿易保険

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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