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【PPP】国土交通省、下関港と那覇港を国際旅客船拠点形成港湾に新たに指定/東アジアクルーズの拠点化やフライ&クルーズ推進

2019.04.27 PPP


 2019年04月19日、国土交通省は港湾法の規定に基づいて、下関港と那覇港を国際旅客船拠点形成港湾に指定することを発表した。指定日は04月22日、指定書交付式も同日行われ両港の港湾管理者に指定書を交付した。

(官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾 出典:国土交通省)

 国土交通省はクルーズ船の受入環境整備の一環として、クルーズ船社による旅客施設等に対する投資と国・港湾管理者による受入環境の整備を組合せた取組みを進めている。投資したクルーズ船社には岸壁の優先的な使用を認める制度があり、これまでに全国で7港(【第1次選定】横浜港、清水港、佐世保港、八代港、本部港、平良港【第2次選定】鹿児島港)が「『官民連携による国際クルーズ拠点』を形成する港湾」に指定され、各港で必要な岸壁整備等の開発が進んでいる。目的は短期間で効率的な国際クルーズ拠点を形成することだ。

 国土交通省は港湾管理者及びクルーズ船社に対して、2018年10月05日から12月27日にかけて「官民連携による国際クルーズ拠点形成計画書(目論見)」の第3回目の募集を行っていたが、下関港と那覇港がこれに応募し、「『官民連携による国際クルーズ拠点』を形成する港湾」に新たに選定されている。今回の国際旅客船拠点形成港湾への指定は当該選定を踏まえたものだ。国際クルーズ拠点を形成する港湾は計9港となった。

(下関港旅客船ターミナル整備の概要図 出典:国土交通省)

 下関港は同港を管理する下関市とMSCクルーズ社が応募した。MSCクルーズ社(本社:スイス、ジュネーブ)はヨーロッパを根拠地とする大手クルーズ会社、コンテナ海運会社としても世界第2位である。

 現在、下関港は供用中の東港や本港地区の岸壁には大型船の寄港ができず、加えて新港地区の水深12m岸壁は貨物船が週4.5日利用していることでクルーズ船寄港可能日が制限され、増加している大型クルーズ船の寄港に対応できないなど課題がある。

 これに対し、下関市がふ頭用地を準備し、下関の地理的優位性等を活用して東アジアクルーズの拠点化を目指して開発を進める。具体的には20万トン級に対応できる水深12m岸壁(L=380m)は国が行い、MSC社はCIQ(税関・出入国管理・検疫)施設を含む旅客ターミナルを整備・所有する。総事業費は約97億円。運用開始は2023年を予定しており、運用開始年で120回の寄港回数を目標年の2035年には1.5倍の180回まで増やす。

 施設整備後、MSC社は東アジアの大型クルーズ船の受入拠点として利用する計画だ。同社はクルーズ船専用岸壁を30年間に亘って優先的に利用できる。優先的に利用予約できる日数は最大100日/年。MSC社が利用しない日は他社も使用も可能だ。

(那覇港旅客船ターミナル整備の概要図 出典:国土交通省)

 那覇港は同港を管理する那覇港管理組合とMSCクルーズ社、ロイヤル・カリビアン・クルーズ社(以下、「RCL社」)が応募した。RCL社はオアシス・オブ・ザ・シーズなど世界最大のクルーズ船を有するクルーズ会社グループで、鹿児島港の施設整備にも参加している。3者は「東洋のカリブ構想」を掲げ、那覇港発着のフライ&クルーズ推進や国際クルーズの拠点化を通じて、世界水準の国際観光リゾート地を目指す考えだ。

 新港地区で22万トン級のクルーズ船に対応できるよう岸壁(水深12m)や泊地(12m)、ふ頭用地を整備する。加えて、旅客ターミナルビルを新たに新設する。こちらはMSCクルーズ社とRCL社が整備し、CIQホール、待合所、商業施設、観光案内所等から構成された施設となる予定だ。運用開始は2022年を予定しており、運用開始年で108回と設定している寄港回数を目標年の2030年には約2倍の205回まで増やす計画。施設整備後は30年間に亘り、MSCクルーズ社とRCL社が東アジアクルーズ拠点として優先的に岸壁を使用する。

 那覇港はクルーズ市場の成長が著しい中国や台湾などから、沖縄や九州に寄港する3~4日間のショートクルーズの寄港地として高く評価されているが、近年はクルーズ船の大型が急速に進んでおり、那覇港では対応する岸壁等を整備する必要が出てきていた。

 現在、日本へ就航するクルーズ船が急増しているが、受入施設の不足により貨物ヤードでの旅客受入が発生するなど課題となっている。一方で、クルーズツアーは1年以上前からの販売も多いが、岸壁の優先予約の仕組みがなく、安定したツアー造成に繋がりにくかった。それに対して政府は、岸壁の長期優先利用を認めることを条件に、民間船社と港湾管理者が連携して受入施設を整備しクルーズ拠点を形成することで、より活発に訪日クルーズ旅客を増やす戦略をとった。政府は日本再興戦略2016の中で「訪日クルーズ旅客を2020年に500万人」に増やすことを目標としている。

【情報ソース】
新たに下関港と那覇港を国際旅客船拠点形成港湾に指定~官民連携による国際クルーズ拠点の形成に向けて~、2019年04月19日、国土交通省

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)

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