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【投資】NEC・JICT・JIIなど、日本-グアム-豪州間の光海底ケーブルに投融資/日・米・豪・東アジアを結ぶ光海底ケーブルネットワーク構築

2018.04.09 事業参画・売買レポート


 2018年04月04日、ジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブ株式会社(以下、「JII」)は日本・グアム・豪州間光海底ケーブル事業に対する20百万米ドル(約21億4千万円、1ドル=107円で計算)の投資契約に調印したことを発表した。

(出典:ジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブ株式会社)

 投資対象となった事業は、日本・グアム・豪州を繋ぐ光海底ケーブルを敷設・運用し、アジア太平洋地域で通信回線の使用権販売やリース等を実施する事業である。南房総市-グアム間(JGA North)とグアム-シドニー間(JGA South)で総延長約9,500kmケーブルを敷設する計画で、予定通りに進めば2019年第4四半期に敷設完了する。総事業費は最大183百万米ドル。

 使用される光海底ケーブルは最新の光波長多重伝送方式が採用されたもので、設計上の最大伝送容量は毎秒36Tbpsになる。途中のグアムではSEA-USやHK-Gととも接続する予定で、完成すればSEA-USは東南アジアと米国を結ぶ大容量光海底ケーブルであり既に稼働している。一方、HK-Gは香港とグアムを結ぶ大容量光海底ケーブルであり、2019年末の稼働に向けて現在工事が進められている。

 当該事業を進めるのは、通信事業者等から成る「JGA」コンソーシアムである。構成企業はシンガポールのRTI Connectivity Pte.Ltd.の他に、豪AARNet Pty Ltd、米Googleとなっている。光海底ケーブル敷設などの建設は日本電気株式会社(以下、「NEC」)が同子会社の株式会社OCCとともに実施する。当該事業を進める事業会社を今後新設する予定で、NECや株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(以下、「JICT」)、RTI経営陣を含む投資家などが出資する。

 融資(メザニンローン、シニア・ローン、ジュニア・ローン)による資金調達も行われ、JICTによる最大44.5百万米ドル(出資部分も含む)の支援のほか、国内金融機関8社で組成したシンジケートローンによる資金調達も実施される。こちらはリードアレンジャーをNECキャピタルソリューション株式会社が務め、貸付人としても参画する。JIIの投資(20百万米ドル)はメザニン・ローン部分への投資となるようだ。

(事業形態 出典:ジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブ株式会社)

*アイキャッチ 出典:日本電気株式会社

【情報ソース】
日本・グアム・豪州間光海底ケーブル事業への投資(*PDFファイルが開きます、667KB)、2018年04月04日、ジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブ株式会社
NEC、日本・グアム・オーストラリアを結ぶ9,500kmの光海底ケーブル「JGA」の建設を開始、2018年04月04日、日本電気株式会社
日本~グアム~豪州間光海底ケーブル事業への支援を決定(*PDFファイルが開きます、555KB)、2017年11月28日、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構

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