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【投資】第一生命、英国高速鉄道と豪州海水淡水化プラントに投融資/プロジェクトファイナンスの知見を活かし、資産運用を高度化・多様化

2018.01.10 事業参画・売買レポート


 2017年12月04日、第一生命保険株式会社(以下、「第一生命」)は英国における高速鉄道線路コンセッション事業「High Speed 1」(以下、「HS1」)及び豪州における海水淡水化事業「VICTORIAN DESALINATION PROJECT」(以下、「VDP」)への投融資の決定を発表した。案件組成(入札)段階からのプロジェクト参画やメザニン投資案件は同社初。

 HS1は英仏海峡トンネルの英国側出口とロンドンのセント・パンクラス駅を結ぶ全長109kmの高速鉄道線路と同区間の駅や関連施設等々の運営・維持管理を実施するコンセッション事業だ。

 HS1の事業スポンサーは英国のインフラファンド「Equitix Investment Management(35%)」(以下、「Equitix」)と「InfraRed Capital Partner(65%)」が組成したコンソーシアム(*カッコ内の数字はコンソーシアムへの出資比率)。2017年09月に、当該コンソーシアムがカナダの年金ファンド『Ontario Teacher’s Pension Plan』と『Borealis Infrastructure』からHS1の全株式を買収することで事業に参画した。日本のジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブ株式会社もEquitixがHS1のために設立したファンドに対して75百万ポンド(1£=140円として日本円に換算すると約105億円)出資している。

 第一生命はHS1の案件組成段階から参画することでコンソーシアムのシニア債務に投資ができた。通常の債務に対して弁済順位が劣後するものの利回りが高いと言われているメザニン部分である。投資金額は約45億円。これまで培ったプロジェクトファイナンスに関する投資ノウハウや高度なリスク精査が活かされた形だ。

 一方、豪州におけるVDPはオーストラリアのビクトリア州メルボルン市のウォンタッギ(Wonthaggi)に建設された施設で海水を淡水化し、メルボルン市内やジーロング市などの近隣都市などに水を供給するコンセッション事業である。年間1,500億リットル(約40万トン/日)の造水・供給能力があり、人口約460万人のメルボルン市での年間使用量の1/3を賄うことができる。
 2009年7月30日にビクトリア州政府と民間事業者AquaSure社との間で契約が締結され、2039年9月までの約30年を事業期間としている。

 第一生命はVDP事業者の有利子負債の借り換えのためのシンジケートローンに参加した。融資総額766百万豪ドルのうち、約44億円を融資する。豪州におけるプロジェクトファイナンスへの参画は同社としては初となる。このシンジケートローンには日本生命も参加しており約156億円を融資している。

 アイキャッチ 出典:第一生命保険株式会社

【情報ソース】
海外プロジェクトファイナンス投資領域の拡大~当社初の案件組成(入札)段階からの参画・メザニン案件への取組み~(*PDFファイルが開きます、231KB)、2017年12月04日、第一生命保険株式会社
英国鉄道インフラ事業への投資(*PDFファイルが開きます、903KB)
、2017年09月08日、ジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブ株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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