2024.04.23
三井物産、マレーシア石炭火力発電事業を中国電力に一部売却
2016.01.20 事業参画・売買レポート
✓ 三井物産が中国電力にマレーシア石炭火力発電事業会社の一部持分を売却
✓ 事業は2,000MWの石炭火力発電所の建設・運営。25年の売電契約。
✓ 総事業費は約3,200億円。その内、イスラム債の発行で約2,400億円を調達
三井物産株式会社(以下「三井物産」)がマレーシアで進めていた石炭火力発電事業に中国電力株式会社(以下「中国電力」)が新たに参画する。
三井物産はマレーシアに100%投資子会社の3B Power Bhd(以下「3B Power」)を設立しており、この3B Powerが現地大手電力会社のTenaga Nasional Berhad(以下「TNB」)と共同事業会社Jimah East Power Sdh(以下「JEP」)を設立している。このJEPが同国における超々臨界圧石炭火力発電所の建設・運営事業『Track 3B 2,000MW超々臨界石炭火力発電事業』を実施する。
今回は三井物産が保有する3B Powerの株式50%を中国電力へ売却する形で事業参画が実現した。中国電力は100%投資子会社のChugoku Electric Power International Netherlands B.V.社を通じて取得するようだ。
今後、マレーシア政府及びTNBの承認取得を経て、事業参画への手続きは正式に完了する。
事業は発電容量2,000MW(1,000MW×2基)の石炭火力発電所を新たに建設・運営するもので、TNBとの25年間の長期売電契約に基づき電力を販売する。
敷地はマレーシア半島部ヌグリ・スンビラン州ジマ地区(Negeri Sembilan Jimah)。EPCコントラクターとして、IHI、東芝、現代エンジニアリング(韓国)、現代建設(韓国)からなるコンソーシアムが参加する。2019年6月に予定されている1号機の商業運転開始に向けて事業は進められる。
総事業費は約120億リンギット(約3,200億円)が見込まれている。2015年12月に、その内8,980億リンギット(約2,400億円)がイスラム債発行により資金調達された。
事業の概要
出資者 | 売却前:TNB(70%)、三井物産(30%) 売却後:TNB(70%)、三井物産(15%)、中国電力(15%) |
事業内容 | 発電所の建設・保守・運営 (BOO方式) |
設備容量 | 超々臨界圧石炭火力2,000MW (1,000MW×2基) |
電力販売先/販売期間 | TNB/25年間 |
総事業費 | 約120億リンギット(約3,200億円) |
スケジュール | 2015年12月 ファイナンスクローズ達成 2019年6月 1号機完工、商業運転開始 2019年12月 2号機完工、商業運転開始 |
建設場所 | マレーシア半島部ヌグリ・スンビラン州ジマ地区 (Negeri Sembilan,Jimah) |
(*)BOO (Build-Own-Operate) 方式:民間事業者が施設を建設し所有した上で、維持管理・運営を行い、事業期間が終了した時点で施設を解体する事業方式。
【情報ソース/参考文献】
・マレーシア「Track 3B 2,000MW超々臨界石炭火力発電事業」一部持分売却について、2016年1月20日、三井物産株式会社
・マレーシア石炭火力発電事業への出資参画について、2016年1月20日、中国電力株式会社