【売買】丸紅、英国ウェスタモスト・ラフ洋上風力発電事業をGIGに譲渡/風車35基、発電容量210MW

2018.03.29 事業参画・売買レポート


 2018年03月27日、丸紅株式会社(以下、「丸紅」)は英国のウェスタモスト・ラフ洋上風力発電事業の持分株式(25%)をGreen Investment Group(以下、「GIG」)へ譲渡したことを発表した。譲渡日は2018年03月26日。

Westermost Rough Offshore Wind Farm

 

 譲渡対象となった事業は英国の東部ヨークシャー州沖合約8kmの海上で実施されている洋上風力発電事業である。Siemens Gamesa Renewable Energy社(2016年にSiemens Wind社とGamesa社が合併)製の6MWダイレクトドライブ式の風車が35基建設され、発電容量は210MWを誇る。2015年06月には商業運転が開始されており、事業期間は25年だ。

 GIGはMacquarie European Infrastructure Fund 5(以下、「MEIF5」)とUniversities Superannuation Scheme(以下、「USS」)とコンソーシアムを組成しており、すでにウェスタモスト・ラフ洋上風力発電事業の持分株式25%保有していた。そのため、今回の譲渡後ではGIG、MEIF5、USSの3者で50%保有していることとなる。残りの50%は、デンマークの大手総合エネルギー会社Ørsted社(以下、「エルステッド社」)が保有している。

 GIGは本部をロンドンに置き、グリーンインフラストラクチャー分野への投資や案件組成、ポートフォリオ管理などを実施する機関である。2012年に英国政府がGreen Investment Bank として創設した機関であるが、その後2017年に豪州最大の投資銀行であるマッコーリーグループに買収されている。

 USSは英国大学退職年金基金である。本拠地をリバプールに置いており、英国の大学や高等教育機関の職員向け退職年金制度を管理・運営している。気候変動対策への関心は高く、ESG投資の観点からグリーンインフラなどへの投資も行っている。

(Westermost Rough offshore wind farm inauguration 出典:youtube)

【情報ソース】
英国ウェスタモスト・ラフ210MW洋上風力発電事業の持分株式譲渡の件(*PDFファイルが開きます、156KB)、2018年03月27日、丸紅株式会社(Green Investment Group Limitedとの共同リリース)
Green Investment Group and Marubeni complete transfer of interest in Westermost Rough offshore wind farm、2018年03月27日、Green Investment Group

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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