【開発】三菱商事、バングラデシュでLNG受入基地事業に参画/LNG受入能力をFSRUで増強

2018.08.24 事業参画・売買レポート


 2018年08月17日、三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」)はバングラデシュ人民共和国において浮体式貯蔵気化設備(以下、「FSRU」(*))を利用した液化天然ガス(LNG)受入基地事業に参画することを発表した。

(*)FSRU:Floating Storage and Regasification Unitの略。

 当該事業参画に際して、Summit LNG Terminal Co.(Pvt)Limited社(以下、「SLNG社」)の株式25%を取得した。参画後の株主及び出資比率はSummit Corporation Limited社(以下、「Summit社」)が75%、三菱商事が25%となっている。Summit社と三菱商事は2018年03月に、当該事業地近くのコックスバザール県マタバリ地区での陸上LNG受入設備の建設、2,400MWのガス焚火力発電所の建設、最大1,500mmscfd(*)(LNG換算約1,000万トン)相当のLNG供給等といった内容の統合開発プロジェクトを共同検討する基本合意書を締結しており、今後の布石も打たれている形だ。

(*)mmscfd:million standard cubic feet per dayの略。一日当たりのガス流量を示す単位。

 当該事業はSLNG社がバングラデシュのチッタゴン管区コックスバザール県モヘシュカリ島6kmの沖合にFSRUや海底パイプラインを配置し、国営石油エネルギー会社Petrobangla社が調達したLNGを受け入れ、ガス化サービスを提供するものである。FSRUは従来の陸上LNG受入基地と比較して建設コストも安く、工期も短いことが特長だ。急増するLNGの輸入量に対して、FSRUを用いてLNG受入能力の増強が図られている
 基地の建設作業は2017年末から開始されており、2019年03月頃の操業開始を計画している。操業期間は15年間で、期間を通じて年間3.5百万トン規模のLNGを受け入れる見込みだ。
 

(赤枠:LNG受入基地事業範囲 出典:三菱商事株式会社)

  バングラデシュでは人口増加や経済成長が続いており、それに伴い電力需要も大きくなっている。一方で、天然ガス焚火力発電によって電力需要の6割を発電しているが、燃料となるLNGの同国内産出量が減退していることから、2018年よりLNGの輸入を開始している。輸入量は2030年には年間17百万トン規模まで達する見込み。

*アイキャッチ 出典:三菱商事株式会社

【情報ソース】
バングラデシュにおける液化天然ガス受入基地事業への参画について、2018年08月17日、三菱商事株式会社

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