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【参画】三菱商事・ネクスコ東日本・JOIN、インドの有料道路運営事業に参画/事業会社の20%株式持分を取得

2018.01.05 事業参画・売買レポート


 2017年12月27日、三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」)は東日本高速道路株式会社(以下、「ネクスコ東日本」)及び株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(以下、「JOIN」)とコンソーシアムを組成し、共同でインドの有料道路運営事業に参画することを発表した。

 Cube Highways and Infrastructure Pte.Ltd.(以下、「キューブハイウェイズ社」)の20%株式持分の取得を通じて事業に参画する。三菱商事がコンソーシアム内における最大株主となる。JOINは最大約96億円の出資支援を行う方針で、2017年12月22日には国土交通大臣の認可も取得した。

 ネクスコ東日本はインドに駐在員事務所を設置し、情報収集や現地企業への技術アドバイザリー業務の実施などをこれまで行ってきた。有料道路運営事業への試行参入や知見の蓄積などを経て、今回は本格参入となる。国内で培った高速道路管理の技術やノウハウを活かし、事業の収益改善や価値向上に取組む。今後はネクスコ東日本の関連会社である日本高速道路インターナショナル株式会社(JEXWAY)も参画を予定しているようだ。

 キューブハイウェイズ社はグローバルインフラファンドI Squared Capitalと世界銀行グループ機関である国際金融公社(International Finance Corporation:IFC)が設立した。現在インド国内で4本の道路を保有・運営している(*下図アセットマップ内の①~④)。今後もインド南部などの有料道路を取得する予定だ。

①Jaipur Mahua Tollways(ジャイプル マフア トールウェイ)
②Mahua Bharatpur Expressways(マフア バラトプル エクスプレスウェイ)
③Western UP tollways(ウェスタン ユーピー トールウェイ)
④Andhra Pradesh Expressways(アンドラ プラデシュ エクスプレスウェイ)

(アセットマップ 出典:三菱商事株式会社)

(③ウェスタン ユーピー トールウェイ料金所 出典:三菱商事株式会社)

 インドの道路総延長は約500万kmと米国に次いで世界第2位の長さ。一方で、同国の経済成長や所得増を背景に、自動車普及率は上昇すると見込まれており、有料道路運営事業の成長余地は大きいと期待されている。また、デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)やチェンナイ・バンガロール間産業大動脈構想(CBIC)も進んでおり、同地域での工業団地や物流基地の開発が進めば、更なる交通需要の拡大が見込めそうだ。

 三菱商事は「中長期的な経済成長が見込まれるASEAN等新興国で、社会・交通インフラと不動産などを組み合わせた複合都市開発事業を推進し、アジア最大の民間インフラ市場であるインドにおいても、これらの事業を通じて、同国の経済成長に貢献していきます。」としている。

*アイキャッチ ①ジャイプル マフア トールウェイを本線上空から 出典:三菱商事株式会社

【情報ソース】
インド・有料道路運営会社への出資参画について、2017年12月27日、三菱商事株式会社
インド・有料道路運営事業への初の本格参入、2017年12月27日、東日本高速道路株式会社
インド・ジャイプル等既設道路有料道路運営事業への支援を決定(*PDFファイルが開きます、1.33MB)、2017年12月27日、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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