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【インフラマネジメント】三井住友建設、斜張橋PCケーブル点検ロボットの実証実験/ケーブル表面状況を死角ゼロで可視化

2018.06.15 トピック


 2018年06月08日、三井住友建設株式会社(以下、「三井住友建設」)は埼玉県越谷市になる「せいたかしぎ橋」(PC3径間連続エクストラドーズド橋)において、斜張橋ケーブル点検ロボット(以下、「当該点検ロボット」)の実証実験を実施したことを発表した。実証実験は山口大学との共同実施。

(実証実験の様子 出典:三井住友建設株式会社)

 当該点検ロボットは三井住友建設、茨城工業高等専門学校、山口大学の3者の共同開発によるものだ。斜張橋のケーブル部分の点検に特化したロボットとなっている。UAVの昇降ユニットと撮影ユニットの2つから成り、撮影ユニットはビデオカメラと自動制御装置を組み合わせたものとなっている。

(斜張橋ケーブル点検ロボット(左)と撮影ユニット内部画像(右) 出典:三井住友建設株式会社)

 当該点検ロボットの点検プロセスは下記の通りだ。

①昇降ユニットによって点検ロボットがケーブルを上昇。
②最頂部で昇降ユニットと撮影ユニットを切り離し。
③昇降ユニットは自由落下するものの、撮影ユニットは自動制御装置により等速降下する(最速9m/分)。
④撮影ユニットが等速降下しながら、120度の範囲を撮影するビデオカメラ4台によってケーブル全周をくまなく記録にとる。
⑤地上で撮影ユニットを回収。その後、画像データを画像結合システムでパノラマ画像化し、その場でケーブル損傷の部位や程度を確認。

(ケーブル点検方法イメージ 出典:三井住友建設株式会社)

 今回の実証実験では、従来の目視点検点検と同等レベルの観察ができることや作業時間の大幅短縮ができる点が確認された。撮影ユニットは毎分9m毎に記録を終える上、複数の点検ロボットを同時に使用すれば大きく点検時間を短縮することも可能だ。また、画像結合システムによるパノラマ画像化も約10分ほどで完了し、安全な地上でパノラマ画像を基に、ケーブル全長及び全周の状況を漏れなく観察することができた。
 他にも、最小限の交通規制で点検ができる点(橋の形状などの条件によっては無しでも可能)やあらゆる傾斜角度のケーブルでも対応できる点が確認できたようだ。

 今回の実証実験で斜張橋の定期点検業務への活用に目処がついたことから、今後は主塔の点検を可能にする前方カメラ搭載タイプなどの開発を進める。

*アイキャッチ 出典:三井住友建設株式会社

【情報ソース】
実橋で斜張橋ケーブル点検ロボットによる実証実験を実施―高精度の点検結果と大幅な作業時間短縮を確認―、2018年06月08日、三井住友建設株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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