【売買】東北電力、インドネシア共和国の地熱発電事業に出資参画/丸紅子会社から10%持分を取得

2018.03.08 事業参画・売買レポート


 2018年03月07日、東北電力株式会社(以下、「東北電力」)はインドネシア共和国南スマトラ州の地熱発電事業『ランタウ・デダップ地熱発電事業』(以下、「当該事業」)への出資参画を発表した。インドネシアの発電事業、海外地熱発電事業への出資参画は同社として初。

Tunggul Bute, Agung City, ラハト 南スマトラ 31462 インドネシア

 

 当該事業への出資参画は同社100%子会社である「トーホク・パワー・インベストメント・カンパニー」(以下、「TPIC」)を通じて行った。03月06日に当該事業への出資者の一つである丸紅株式会社(以下、「丸紅」)の子会社との間で売買契約が締結され、当該事業の10%持分を取得した。これにより、当該事業への出資者は東北電力(10%)、丸紅(32%)、エンジ―社(42%)、スプリーム・エナジー社(16%)の4社となった。(*)(カッコ内は出資比率)

(*)エンジ―社はフランスの大手電気・ガス事業者、スプリーム・エナジー社はインドネシアの地熱資源開発・地熱発電事業者。

 当該事業はインドネシア共和国南スマトラ州(スマトラ島南部)で、出力合計約98MWの地熱発電所を運営するものである。発電された電力は30年間に亘る売電契約に基づき、インドネシア国有電力会社へ売電される。運転開始は2020年後半の予定。

 東北電力は2017年01月に発表した東北電力グループ中期経営方針で、海外事業を成長に向けた新たな事業機会と位置付けた。収益拡大に向け、北・中米や東南アジアを重点エリアとし、IPP等の発電事業を拡大させる方針であった。海外発電事業の持分出力は2017年度時点で20万kWであったが、それを2020年度には60万kW、2030年度には120万kWととする定量目標を掲げている。

 今回の地熱発電事業への参画は中期経営方針に基づいて行った第一号案件。今後も北・中米や東南アジアを中心に海外発電事業の拡大に取り組み、収益力強化を図る方針のようだ。

インドネシア共和国ランタウ・デダップ地熱発電事業
 

案件名ランタウ・デダップ地熱発電事業
事業会社PT Supreme Energy Rantau Dedap
(スプリーム・エナジー・ランタウ・デダップ)
設立日2008年07月
所在地事業会社:インドネシア・ジャカルタ
発電所:インドネシア・南スマトラ州・ランタウ・デダップ地区
事業内容インドネシア国有電力会社との売電契約(30年間)に基づき発電事業を運営
出資者(カッコ内は出資比率)・東北電力株式会社(10%)
・丸紅株式会社(32%)
・エンジ―(42%)
・スプリーム・エナジー(16%)
出力規模9.84万kW
運転開始時期2020年後半(予定)

*アイキャッチ Photo by Chema Photo on Unsplash

【情報ソース】
インドネシア共和国ランタウ・デタップ地熱発電事業への出資参画について~当社として初の海外地熱発電事業~、2018年03月07日、東北電力株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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