【売買】三菱商事、英国の水道事業を取得/KKRから持分25%を取得

2016.02.09 事業参画・売買レポート



✓ 三菱商事が英国の水道事業会社の持分25%を取得
✓ 出資先はサウス・スタッフォードシャー社(South Staffordshire Plc)
✓ サウス・スタッフォードシャーとケンブリッジ地区でワンストップの上水道サービスを提供

 三菱商事株式会社(以下「三菱商事」)が英国で上水道事業に参画する。

 三菱商事は米国の投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ社(以下「KKR社」)から、サウス・スタッフォードシャー社(South Staffodshire Plc社、以下「SS社」)の持分25%を取得する。 三菱商事は役員や職員を派遣し経営にも参画する方針だ。

 サウス・スタッフォードシャー社の概要                                                                                                 

本社所在地英国West MIdlands州Walsa市
設立年2004年
(前身は1853年設立のSouth Staffordshire Waterworks Company)
資本金5百万英ポンド
(2015年3月末時点)
総資産509百万英ポンド
(2015年3月末時点)
売上239百万英ポンド
(2014年時点)
純利益28百万英ポンド
(2014年時点)
従業員数2,493人
(2014年/2015年平均)
代表者Adrian Page
(Group CEO)
  SS社はサウス・スタッフォードシャー地区とケンブリッジ地区で上水道事業を展開している。給水区域は約2,663km2で、神戸市の人口相当である約160万人にサービスを提供している。

01(SS社の給水地域 資料:三菱商事株式会社)

 英国では水道事業の民営化が進んでおり、上記の上水道事業も官民連携事業ではない。民間企業がインフラを保有し、運営するかたちだ。プレス記事によれば、SS社では取水設備:56箇所、浄水場:26箇所、ポンプ場:81箇所、全長9,100kmの管路などの資産を保有している。
 同社はその資産のオペレーション(取水・送水・浄水・配水)や維持管理・設備投資を実施するのみならず、顧客管理・サービスまでワンストップで提供する。

 

02(SS社保有・運営しているSeedy Mill浄水場 資料:三菱商事株式会社)

 SS社は上記事業のほか、英国で技術サービス(水道関連機器の修繕、管路修繕、水質検査等)や顧客サービス事業(コールセンター運営、顧客管理ソフトウェア販売等)を展開している。この事業展開を担っているのが英国各地に30以上ある国内拠点だ。

 今回の三菱商事の買収によりSS社の事業基盤を活かすことが可能となった。三菱商事はこれを足掛かりにグループ傘下企業の技術やサービスを全英に向けて展開する狙いもある。

【情報ソース/参考文献】
英国の水事業会社への出資参画について ~取水・配水から顧客管理まで一貫した水道事業の取組を強化~ 、2016年2月3日、三菱商事株式会社
KKR agrees the sale of a 25% stake in South Staffordshire Plc to Mitsubishi Corporation、2016年2月3日、South Staffordshire Plc

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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