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【テクノロジー】日立製作所、埋設水道管の漏水検知システムを開発/高感度センサーを既存水道管に磁石で設置、漏水特有の振動を検知

2019.05.08 トピック


 2019年04月25日、株式会社日立製作所(以下、「日立製作所」)はガス管や下水管などの地中埋設インフラを効率的に保守管理するデジタルプラットフォームを構築し、当該プラットフォーム活用の第一弾として水道管の漏水エリアを高精度で瞬時に特定するシステム(以下、「当該システム」)を開発したことを発表した。

(センサーの設置風景 出典:株式会社日立製作所)

 これまでの漏水調査は調査員が公道上の制水弁や消火栓などに音聴棒を当て、漏水音を聞き分けることで漏水の有無の確認を行っていた。しかし、熟練調査員が減少していることで調査周期が5年以上となっている地域もあり、これまでの方法では限界が来ている。

 これに対して当該システムは調査員ではなく、高感度・低電力センサーが漏水特有の振動を検知、漏水エリアを高い精度で瞬時に特定することが特長だ。これまで調査員が行っていた水道管の漏水調査の巡回は不要となるほか、漏水エリアが限定されるので漏水している水道管を特定する際にも時間や労力を大幅に削減することが可能だ。

 具体的には高感度センサーを300m間隔で設置し、漏水による微弱な振動を検知する。センサーには磁石が内蔵されており、追加工事なしで既存の水道管に容易に設置できる。設置後は内蔵バッテリーのみで5年以上稼働する。(電力消費量は従来比で50%削減されている。)

 日立製作所は漏水時に連続的な一定の振動が発生することを発見しており、そこから漏水による振動を検知する高度データ分析技術を開発した。高感度センサーに当該技術を適用し、自動車や人の往来によるノイズの除去することで通信負荷を抑えたデータの収集や高精度な漏水検知ができるようになった。センサーからの情報受取はNTTグループが提供しているIoT通信技術LPWA(Low Power Wide Area)を活用する。

(漏水検知適用例 出典:株式会社日立製作所)

 現在、当該システムの実用化に向け、NTTグループと株式会社熊本流通情報センターとともに、2017年12月から実証実験を行っており、これまでの実験では誤検知なく漏水を発見することができている。今後は実用化に向けさらに実証実験を進め、2020年度に水道事業者向けサービスの提供を開始したい考えだ。

*アイキャッチ 出典:株式会社日立製作所

【情報ソース】
社会インフラの効率的な保守管理を実現するデジタルプラットフォームを構築 水道管の漏水などを高精度で早期に検知するシステムを開発、2019年04月25日、株式会社日立製作所

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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