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【参画】日揮、オマーン国東部シャルキア地区で海水淡水化事業に参画/約125億円を三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行・新生銀行が融資、NEXIが保険付保

2018.07.23 事業参画・売買レポート


 2018年07月23日、日揮株式会社(以下、「日揮」)は同社が筆頭株主として出資参画しているAl Asilah Desalination Company S.A.O.C(アル・アシーラ・デサリネーション・カンパニー、以下「事業会社」)がオマーン国東部のシャルキア地区における海水淡水化事業を受注したことを発表した。07月11日には、当該事業向けのプロジェクトファイナンスの融資契約も締結されている。

 当該事業はオマーン国東部のシャルキア地区(Sharqiyah)において、逆浸透膜(RO膜)方式の海水淡水化プラントを建設し、約20万人分の生活用水に相当する日量約8万立方メートルの海水を淡水化し、約20年間に亘ってオマーン電力・水公社(Oman Power and Water Procurement Company S.A.O.C)に対して販売するものである。事業運営は同設備の保守運転を含むBOO方式で実施される形であり、2021年04月から商業運転開始する計画だ。総事業費は約200億円。

 事業会社は2017年12月に設立されており、日揮が75%出資し筆頭株主となっている。このほか、United Infrastructure Development Company LLC(ユナイテッド・インフラストラクチャー・デベロップメント・カンパニー、オマーン国の財閥企業バーワン・エンジニアリング・グループ傘下企業)が25%、韓国のDoosan Heavy Industries & Construction Co., Ltd(以下、「斗山重工業」)が5%出資している。斗山重工業は中東などで海水淡水化設備の建設実績を持つことから、プラント建設に起用されている。

 総事業費約200億円のうち総額114百万米ドル(約125億円、1ドル=110円で換算)を株式会社三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社新生銀行によるプロジェクトファイナンスによる融資によって調達する。これら3行の融資に対しては、株式会社日本貿易保険(NEXI)の海外事業資金貸付保険が付保される。

 日揮では、エンジニアリング企業としての知見を活かして、「プラントの省エネルギー化」と「効率的な運転・保守」を通じた売水単価の低減を実現できたことが当該事業権の取得に繋がったと見ている。

*アイキャッチ Photo by Martin Adams on Unsplash

【情報ソース】
オマーンにて海水淡水化事業を実施、2018年07月23日、日揮株式会社
オマーン国/Sharqiyah海水淡水化事業案件-初の海水淡水化プロジェクト向け融資保険の引受-、2018年07月23日、株式会社日本貿易保険

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