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【コンセッション】法務省、コンセッション方式で奈良少年刑務所を保存しつつ活用へ/「実施方針」を公表、平成31年の供用開始を計画/博物館やホテルで収益化

2016.12.14 コンセッション


 平成28年12月8日、法務省は奈良少年刑務所(旧奈良監獄)について公共施設等運営権制度(コンセッション制度)を利用し、施設の運営などを民間事業者へ委託することを決め、民間事業者を募集するとともに実施方針を公表した。

 事業名は『(仮称)旧奈良監獄の保存及び活用に係る公共施設等運営事業』。事業は築100年を超え老朽化が進む施設を改修し(耐震改修を含む)、文化財建造物として保存しながら有効に活用することで、稼ぐ公共施設へと変えるものだ。事業の概要は下記の通り。

〇事業概要
・事業期間:平成62年3月末日まで(30年以内であって事業者が希望する期間で事業期間の延長も可能)
・事業範囲:改修業務、史料館運営事業(維持管理業務+運営業務)、付帯事業 (*)
・事業収入:施設の観覧料+その他利用料金(付帯事業)

(*)付帯事業は博物館、ホテル、賑わい施設などで建造物の歴史的・文化的価値を踏まえたものとされている。

〇事業スケジュール
 

基本協定書の締結平成29年6月予定
運営権の設定、実施契約の締結平成29年8月予定
本施設の耐震改修期間実施契約締結~平成31年10月
本施設の供用開始平成31年10月(予定)
事業終了平成62年3月(予定)

〇優先交渉権者の選定スケジュール
 

実施方針の公表平成28年12月8日
実施方針に係る説明会の開催平成28年12月9日
実施方針に係る質問・意見の受付平成28年12月8日
実施方針に係る質問への回答公表平成28年12月22日
募集要項等の公表及び説明会の開催平成28年12月下旬
募集要項等に係る質問・意見の受付平成29年1月上旬
募集要項等に係る質問への回答公表平成29年1月中旬
参加表明書の提出平成29年1月下旬
競争的対話の実施平成29年2月上旬
提案書類の受付平成29年4月上旬
優先交渉権者の決定,公表平成29年5月上旬
基本協定の締結平成29年6月(予定)
運営権の設定、実施契約の締結平成29年8月(予定)

 当該事業では「文化財建造物の保存」といった観点から独自の条件があり注意が必要だ。例えば、付帯事業は史料展示業務として直接利用しない部分を活用の上、文化財の保存に支障がない範囲で提案する必要がある。また、改修業務に係る設計や工事を実施する企業または配置予定技術者には、「組積造の文化財建造物に係る保存や活用する事業」に関しての実績を求めるという方針もある。

 奈良少年刑務所は監獄の全国的再編成として明治41年に建設された5大行刑施設(千葉、長崎、鹿児島、金沢、奈良)の一つ。「明治の5大監獄」と呼ばれていた。そのうち建物全体が現存するものは今回の奈良少年刑務所の赤煉瓦建物のみである。煉瓦造りで放射状に並んだ収容等などが特徴である。設計は当時司法省営繕課長であった山下啓次郎。施設は老朽化のため今年度で閉鎖を予定していた。

奈良少年刑務所

(*アイチャッチ画像の出典:法務省)

【情報ソース】
奈良県少年刑務所赤れんが建造物の保存及び活用について、平成28年12月8日、法務省

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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