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【戦略】出光興産、ノルウェーの海洋ガス油田で浮体式洋上風力発電事業を検討/発電容量88MW、石油ガス生産設備で使用する電力の35%を再エネに置換え

2018.08.31 トピック


 2018年08月29日、出光興産株式会社(以下、「出光興産」)はノルウェー領北海の海洋石油ガス田生産設備の近傍に浮体式洋上風力発電所を建設し、石油ガス生産設備へ電力供給を行うプロジェクトの検討を開始したことを発表した。

(地図 出典:出光興産株式会社)

 当該プロジェクトの対象となっているのはノルウェー西部ベルゲン市の北西約200km、水深300-350mにあるスノーレ油田。出光興産の子会社である「出光スノーレ石油開発株式会社」がノルウェー現地法人の「出光ペトロリアムノルゲ」を通じて権益を保有している油田だ。権益比率は9.6%。

 出光興産はそのスノーレ油田の石油ガス生産設備近傍に定格出力8.0MWの浮体式洋上風力発電設備11基を建設し、総計88MWの発電容量となる洋上ウィンドファームを開発する計画の検討を開始した。実現すれば世界初の試みだ。当該洋上ウインドファームの名称は「Hywind Tampen floating wind farm」。発電した電力は石油ガス生産設備へ直接接続して使用される。スノーレ油田だけでなく、近傍のガルファクス油田にも供給する見通しだ。

(当該事業の洋上風力発電のイメージ図 出典:出光興産株式会社)

 当該プロジェクトにはエクイノール社のHywind(ハイウィンド)と呼ばれている浮体式洋上風力発電ソリューションを使用する。エクイノール社は浮体式洋上風力発電のパイオニア企業。世界で初となる浮体式洋上風力発電所「Hywind Scotland」を2017年10月に稼働させている。

 当該プロジェクトが実施されると、当該エリアの石油ガス生産設備で電気が使用される。現在、ガスタービン発電で賄われている電力の35%程度を再エネ由来の電力に置換することになる。なお、風況次第ではこれよりも多くの電力を発電することも可能だ。
 当該プロジェクトの最終投資判断は2019年。それまでに設計や建設・設置作業の詳細検討を進める予定だ。

*アイキャッチ 出典:出光興産株式会社

【情報ソース】
世界初!石油ガス生産設備での洋上風力発電による電力確保事業計画に参加します、2018年08月29日、出光興産株式会社
Hywind-the world’s leading floating offshore wind solution、equinor

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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