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【コンセッション】国土交通省、熊本空港の民営委託の実施方針を策定・公表/国内線・国際線一体の新ターミナルビルの整備含む

2018.01.17 コンセッション


 2018年1月17日、国土交通省は熊本空港の運営を民間委託することを決定し、事業の概要等を定めた実施方針を策定・公表した。

熊本空港

 

 実施方針は昨年6~8月に実施された民間投資意向調査(マーケットサウンディング)で得た民間事業者の意見を反映した。民間の資金や経営能力の活用によって空港の一体的かつ機動的な経営を実現させることで、内外交流人口拡大等による地域活性化を図る方針。

 実施方針によれば、熊本空港の民間委託はコンセッション方式で実施され、運営権者(民間事業者)は滑走路等の運営とターミナルビル等の運営を一体的に実施する。地域共生事業や空港利用促進事業など、応募者による提案業務も実施可能なようだ。

 運営権者は着陸料などの収入を設定の上、自ら収受し、得た料金収入を基に継続的に事業を行う。事業期間は当初 33 年+オプション延長 15 年以内というもの。不可抗力延長は10年以内とされており、最長では58年間となる。

 当該事業では熊本地震で被災した国内線ターミナルビルをより高い耐震性を持つ国内線・国際線一体の新ターミナルビルへ建替えが含まれているのが特徴的である。平成34年度中に計画が予定されている。それまでに使用する国内線ターミナルビルは平成31年度中に国が整備し、運営権者へ売却する予定。

 優先交渉権者選定については、有識者等で構成する審査委員会により応募者の提案を審査し、地域活性化等の実現に資する者を総合的に判断の上、選定する。予定通りに進めば、平成31年3月に優先交渉権者が選定され、平成32年4月頃から熊本空港の民間委託が開始される。

〇事業概要
・事業期間:当初 33 年+オプション延長 15 年以内(+不可抗力延長10年以内)
・事業範囲:空港運営等事業、ビル・駐車場事業 等(*)
・事業方式:国は、公募により運営権者を選定
         運営権者は、滑走路等の運営とターミナルビル等の運営を一体的に実施
         国は、公共施設等運営権を設定し、運営権者より運営権対価を収受
(*)既存の国内線ターミナルビルを取り壊し、国内線・国際線が一体となった新ターミナルビルを運営権者が整備(平成34年度中を予定)

〇今後のスケジュール(予定)
 

・平成 30年 03月頃募集要項等の公表
・平成 31年 03月頃優先交渉権者の選定
・平成 31年 05月頃実施契約の締結
・平成 32年 04月頃空港運営事業開始

 熊本空港は熊本県上益城郡益城町にある国管理空港(滑走路は熊本県菊池郡菊陽町にある)。阿蘇山の山麓にあり、「阿蘇くまもと空港」の愛称で親しまれている。昭和35年に前身となる熊本飛行場が供用開始された。

 供用開始時には1,200mだった滑走路も現在では3,000mとなり、国内線が1日39往復、国際線は高雄・ソウル・香港との間で11往復乗り入れている。平成28年度実績値によると、旅客数は国内線298万人、国際線3万人となっている。貨物取扱量は国内のみで16,149トン。

〇主要路線
【国内線:39往復】
 東京(18)、成田(2)、中部(3)、名古屋(3)、大阪(11)、那覇(1)、天草(1)

【国際線:11往復】
 高雄(3)、ソウル(6)、香港(2)

【情報ソース】
熊本空港運営の民間委託 平成32年4月から開始~熊本地震からの復興の加速化に向けて~、2018年01月17日、国土交通省

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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